ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5607444号:「WINTEX」の欧文字をややデザイン化して表し(EXの部分は,黒塗り四角形内に白抜で表されている。),その上下に矢印線状の図形を表してなる構成、指定商品:第25類の商標は、

 

(1)登録第2317472号商標:

 

 「WINTECH」の欧文字を横書きで表してなる構成

 

(2)登録第4721988号商標:

 

 「WINDEX」の欧文字と「ウインデックス」の片仮名を上下
二段に横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

-

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-006882号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、本願商標は、

 

「全体としてまとまりよく一体感のあるものになっていることから,本願商標の構成からは「WINTEX」の文字に相応した,「ウインテックス」の称呼が生じるものであるが,何らの観念は生じないものである。」

 

 一方、引用商標1は

 

「その構成からは「ウインテック」の称呼が生じるものであるが,何らの観念は生じないものである。」

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「外観においては,前記のとおりの構成よりなるものであり,明らかに区別できる差異を有する」

 

 両称呼は、

 

「6音又は7音の構成にあって,語尾において「ス」の音の有無の差異を有するものである。」

 

「しかして,差異音「ス」は,「テ」の音が促音「ッ」を伴い強く発音されることにより,一瞬,呼気を止めた後に,その前音「ク」とともに,明瞭で,かつ,余韻を残すように聴取されるものである。」

 

「そうとすると,差異音「ス」が比較的短い両称呼に及ぼす影響は大きく,全体の称呼をそれぞれ一連に称呼するとしても,全体の語調,語感が相違したものとなり,両称呼は互いに聴別し得るものというのが相当である。」

 

 観念は、

 

「共に特定の観念が生じるものではないから,観念においては比較することができない。」

 

 

 引用商標2は

 

「その構成からは「ウインデックス」の称呼が生じるものであるが,何らの観念は生じないものである。」

 

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「外観においては,前記のとおりの構成よりなるものであるから,明らかに区別できる差異を有するものである。」

 

 称呼においては、

 

「両称呼の差異は第4音における「テ」と「デ」の音にあるところ,「テ」の音は澄んだ音として聴取される清音であるのに対して,「デ」の音は重く響く濁音であり,その音質に明らかな差異を有するばかりでなく,」

 

「その差異音は,それぞれ二音節に称呼される後半の音節の冒頭部分に位置することから,その差異が更に明瞭なものとなり,これが両称呼全体に与える影響は大きく,両称呼は互いに聴別し得るものというのが相当である。 」

 

 観念については、

 

「共に特定の観念が生じるものではないから,観念においては比較することができない。」

 

 

 よって、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれはなく、非類似の商標と判断するのが相当であるとされました。

 

 

 

 今回は、称呼に基づく類否が問題となりました。

 

 一音違いの場合、その位置や発音によって、類否判断が分かれます。

 

 一音違いであっても差別化できるように工夫することが、真似とは言わせないツボになります。

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