ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5601618号:「メタボン茶」、指定商品:第30類の「茶」の商標は、

 

 登録第5178379号商標:「メタボ茶」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-001695号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「メタボン」の語は、辞書類に載録のないものであって、一般に広く親しまれた意味を有する語ともいえず、また、その構成中「茶」の文字は、本願の指定商品の普通名称であるから、本願商標において、自他商品の識別標識としての機能を有する部分は、「メタボン」の文字にあると認識、把握されるとみるのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「メタボンチャ」の称呼が生じるほか、「メタボン」の称呼をも生じるというのが相当であり、また、特定の観念を生じるものではないといえる。」

 

 一方、引用商標は

 

「その構成中の「メタボ」の語が、「メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)」の略語として一般に知られていることから、「メタボを防止する茶」ほどの意味合いを暗示させるものであり、」

 

「また、その構成各文字は、片仮名と漢字により構成されているとしても、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって表されていることから、視覚上、まとまりよく一体的な印象を与えるものであって、」

 

「これより生ずると認められる「メタボチャ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるから、引用商標は、その構成全体をもって一種の造語を表したものとして、看取、把握されるとみるのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「メタボチャ」の称呼のみを生ずるものであり、また、特定の観念を生じるものでないものの、「メタボを防止する茶」ほどの意味合いを暗示させるものである。」

 

 

 そこで、両者を対比すると、外観は、

 

「片仮名「ン」の有無の差異を有し、少ない文字数にあって、この差異の影響は少なくなく、外観上、区別し得るものである。」

 

 称呼においては、

 

「本願商標からは、「メタボンチャ」及び「メタボン」の称呼が生じ、引用商標からは、「メタボチャ」の称呼が生ずるものであるところ、本願商標から生ずる「メタボンチャ」の称呼と引用商標から生ずる「メタボチャ」の称呼とを比較するに、」

 

「本願商標は、「メタボ」の音の後に撥音「ン」を伴うことにより、その前音「ボ」が比較的強調され、発音に際しては、「メタ、ボン、チャ」と3音節風に称呼されるのに対し、引用商標は、平らに一気に「メタボチャ」と称呼され、」

 

「前者が5音に対し、後者は4音といういずれも短い音構成の中にあっては、中間音といえども「ン」の音の有無が全体に与える影響は少なくなく、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。」

 

「また、本願商標から生ずる「メタボン」の称呼と引用商標から生ずる「メタボチャ」の称呼とを比較するに、語尾の「ン」の音と「チャ」の音とにおいて明らかな差異を有し、それぞれを一連に称呼しても、明瞭に聴別できるものである。」

 

 観念については、

 

「両商標とも特定の観念を有しないところ、引用商標のみが「メタボを防止する茶」ほどの意味合いを暗示させるものであるから、両商標は、観念上においても、相紛れるおそれはないものである。」

 

 

 よって、外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当であるとされました。

 

 

 今回は、片仮名「ン」の有無が問題となりました。

 

 標準文字の商標で一文字違いは、称呼だけでなく、外観や観念の点からも類否が問われます。

 

 一文字違いでもその意味や外観を異ならせることによって、称呼の差異を助け、真似とは言わせないことになります。

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