ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5597535号:右肩にバックを掛け両手にトランクを持った着帽の男性の図形と,「Belber」の欧文字と,「1891」の数字を三段に表してなる構成、指定商品:第18類の商標は、

 

 登録第2454869号商標:「VELBA」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-003074号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の構成中

 

「「Belber」の文字部分は,図形部分及び数字部分と重なり合うことなく中段に大きく顕著に表されていることから,視覚上,「Belber」の文字部分が独立して看取されるものである。」

 

「そうすると,本願商標は,該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと判断するのが相当である。そして,該文字部分より「ベルバー」の称呼を生じ,また「Belber」の文字は,特定の意味を有しない造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。」

 

 

 一方、引用商標は

 

「特定の意味を有しない造語であって,その構成文字に相応して「ベルバ」の称呼を生じるものであり,特定の観念は生じないものである。 」

 

 そこで、

 

「「ベルバー」の称呼と「ベルバ」の称呼を比較すると,両者は,語尾において長音「ー」の有無に差異を有するところ,「ベルバー」は,語尾における長音を伴った「バー」の音が明瞭に発音されるのに対し,「ベルバ」は,各音を区切って抑揚なく発音されるものであるから,」

 

「4音と3音という比較的短い音構成にあっては,この差異が称呼全体に与える影響は大きく,それぞれを一連に称呼するときは,その語調,語感が相違し,十分聴別できるものである。」

 

「観念においては,「Belber」の文字と「VELBA」の文字からは,上記のとおり,観念を生じないものであるから,これを比較することはできない。」

 

 また、

 

「本願商標が文字と図形からなるのに対し,引用商標は文字のみからなるものであるから,両者の外観は明らかに相違する。さらに,「Belber」と「VELBA」の部分を抽出したとしても,明確に区別し得るものであり,外観において類似するものではない。」

 

 

 として、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれはなく、非類似の商標であるとされました。

 

 今回は、長音「ー」の有無における商標の類否が問題となりました。

 

 比較的短い音構成にあっては,このような差異が称呼全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは、その語調,語感が相違するので、十分聴別できます。

 

 短い音構成にして差異を目立たせることが、真似とは言わせないツボになります。

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