ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5533723号:「iDress 」、指定商品:第9類「携帯電話機用保護カバー,スマートフォン用保護カバー」の登録商標は、

 

 登録第2352528号商標:「DRESS」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2011-023542号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「各構成文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、しかも、これより生ずる「アイドレス」の称呼も淀みなく一連に称呼し得るものである。」

 

「そして、構成中の「i」の文字について、これが商品の品質等を表すものとして、取引上、一般に使用されている事実を発見することはできず、また、これを捨象して認識されるとすべき事情も見あたらない。」

 

「そうすると、本願商標は、その構成文字全体をもって一体不可分のものとして認識し、把握されるとみるのが自然であるから、該構成文字に相応して、「アイドレス」の一連の称呼のみを生ずるものであり、また、特定の観念を生じないものである」

 

 一方、引用商標は、

 

「文字に相応して「ドレス」の称呼を生じ、「衣服、服装」の観念を生ずるものである。」

 

 そこで両者の類否を検討すると、

 

「外観上は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、外観上明確な差異を有するものである。」

 

「次に、称呼については、称呼識別上重要な位置を占める語頭における「アイ」の音の有無という明確な差異があることから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、相紛れるおそれはないものというべきである。」

 

「さらに、観念については、本願商標は特定の観念を生じないものに対して、引用商標は「衣服、服装」の観念を生ずるものであるから、比較することができない。」

 

 

 として、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、語頭部の「i」の有無による類否が問題となりました。

 

 インターネット関連の商品・サービスで「i〜」といった商標がよく見かけられますが、今回の場合には、商品の品質等を表すものとして、取引上、一般に使用されているとは言えない、という判断でした。

 

 よく見かける語句であっても商品・サービスとの関係によっては真似とは言わせないことができます。

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