ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5509722号: 「SAIAN」の欧文字からなり、かつ、その語頭の「S」の欧文字が図案化された構成

 

 指定商品は第9類「プラズマ滅菌用化合物の濃度測定装置,実験室用プラズマ滅菌装置,その他の実験室用滅菌装置,電気磁気測定器,電気通信機械器具」、第10類「医療用プラズマ滅菌装置,その他の医療用滅菌装置」は、

 

 

  国際登録第859897号商標: 「CyAn」の欧文字が横書きされた構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2011-022953号)が請求されました。

 

 審判では、まず、この商標の「SAIAN」の欧文字についてみるに、該文字は、辞書等に掲載されていない語であることから、看者をして、特定の読み及び観念を有することのない一種の造語からなるものとして看取、理解し、我が国において親しまれた外国語である英語の読み又はローマ字の読みに倣って発音する場合も決して少なくないというのが相当である、としました。

 

 そうすると、該文字は、「サイアン」と発音されるというのが自然であるから、「SAIAN」の欧文字からなる本願商標は、その構成文字に相応する「サイアン」の称呼を生ずるものであり、また、特定の意味を有することのない造語として看取、理解されるものであるから、特定の観念を生ずることのないものである、としました。

 

 一方、引用商標と文字綴りを同じくする「cyan」についてみれば、英語の辞書類においては、「サイアン」の読み及び「青緑色,シアン(赤の補色)」の意味を有する語としての掲載例がある一方、日本語の辞書類においては、「シアン[cyan]」の見出し語の下、「水銀・銀・金などのシアン化物を赤熱すると生ずる無色の気体。青素。澄んだ青緑色。カラー写真・絵具・印刷インクなどの三原色の一つで、赤の補色。」等の意味を有するものとしての掲載例があるものである、とし、

 

 そうすると、「CyAn」の欧文字からなる引用商標は、これに接する者として、上記読み及び意味を有する成語を表したものとして認識する場合も少なくないとみるのが相当であり、これより、「サイアン」又は「シアン」の称呼を生じ、「(澄んだ)青緑色」ほどの観念を生ずるものといい得るものである、としました。

 

 

 そこで、類否を検討すると、両者は、その文字構成において、明かな差異を有するものであるから、外観上、容易に区別し得るものである、とされました。

 

 称呼については、まず、「サイアン」の称呼においては、両者は、称呼を同一とするものである一方、「サイアン」と「シアン」との比較においては、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部において「サイ」の音と「シ」の音という明らかな差異を有するものであるから、これがそれぞれ4音と3音という短い音構成からなる両者の称呼全体に与える影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、相紛れるおそれのないものである、とされました。

 

 観念については、本願商標は、特定の観念を生ずることのないものであるのに対し、引用商標は、「(澄んだ)青緑色」の観念を生じるものであるから、観念上、両者が紛れるおそれはない、とされました。

 

 こうして、本願商標と引用商標とは、外観及び観念において、相紛れるおそれのないものであり、称呼においても、後者から「サイアン」の称呼を生ずるとした場合にのみ、称呼を同一とするものであるから、その称呼を同一とする場合があることをもって、両商標が相紛れるおそれがあるということはできず、そのほかに、両商標をその指定商品について使用した場合、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあると認めるに足る特段の事情も見いだせない。

 

 

 として、全体として非類似であると判断されました。

 

 

 今回は、「CyAn」から生じる称呼が複数あり、そのうちの一つが同一の称呼の場合の類否が問題となりました。

 

 

 複数ある称呼のうちの一つが同じでも、外観や観念が異なるものであれば、必ずしも非類似になるとは限りません。

 

 日本語の辞書では、「シアン[cyan]」の見出し語となる点から、非類似判断がなされたのでしょう。

 

 たとえ同一の称呼となる場合があっても、その称呼がなされる可能性が低いような構成にすることが、真似とは言わせないツボになります。

「SAIAN」はこうして商標登録された関連ページ

メディキノコはこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「バケッ塔」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ハウスブレーン」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「XDSKIN」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロシャワー 」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ドクターフィッシュカフェ」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「Veeco」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「jna」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「IGUIDE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「オルガノサイエンス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「LASEE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロテアス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。