ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5507067号:「YEEZY」は、

 

(1)登録第1862038号商標、登録第5290793号商標:「EASY」

 

(2)登録第2715231号商標:「EG」と「イージー」とが並んだ構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2011-013710号)が請求されました。

 

 審判では、まず、この商標を構成する文字は、我が国において広く親しまれた外国語に見当たらず、また、親しまれた特定の語を想起させるものでもないから、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものである、としました。

 

 そして、当該欧文字をどのように称呼すべきか明らかではないところ、このような場合、一般的には、我が国で親しまれたローマ字又は英語の発音に倣って称呼されるものというのが相当である、としました。

 

 そこで、検討するに、まず、我が国において親しまれた英語には、「yes」(イエス)、「yellow」(イエロー)、「yesterday」(イエスタディ)、「year」(イアー)があることから、当該欧文字の先頭の「YEE」を「イェー」ないし「イー」と称呼し、また、英語「zyme」(ザイム)から、当該文字の語尾の「ZY」を「ザイ」と称呼して、全体として「イェーザイ」ないし「イーザイ」と英語風に称呼しうる、としました。

 

 また、欧文字「Z」が「ズィー」とも称呼され、英語の語尾の「Y」が「busy」(ビズィ、ビジー)、「heavy」(ヘビィ、ヘビー)、「sleepy」(スリーピィ、スリーピー)のように「ィ」ないし前音を伸ばす音のように称呼されることから、当該欧文字の「ZY」を「ズィー」と称呼するとみる余地もあり、当該欧文字は「イェーズィー」ないし「イーズィー」のように称呼しうる、としました。

 

 なお、当該欧文字をローマ字読みないしローマ字風に称呼することは、困難であるから、本願商標は、英語風に「イェーザイ」、「イーザイ」、「イェーズィー」、「イーズィー」などと称呼することができるが、称呼を特定できるものではなく、また、前記のとおり、本願商標から特定の観念を生ずるものではない、としました。

 

 

 一方、引用商標(1)は、その構成に相応して「イージー」の称呼及び「簡単」の観念を生ずるものである、とし、

 

 また、引用商標(2)は、その構成中の「イージー」の片仮名に相応して「イージー」の称呼及び「簡単」の観念をも生ずるものである、としました。

 

 

 そこで、それぞれの称呼を比較すると、本願商標は、確定的な称呼を生ずるものではないものの、「イェーザイ」、「イーザイ」、「イェーズィー」、「イーズィー
」などの称呼を生じうるところ、引用商標は「イージー」の称呼を生ずるものであります。

 

 しかして、本願商標から「イーズィー」の称呼を生ずるとした場合には、引用商標の称呼「イージー」と語頭の「イー」の音を共通にし、語尾の「ズィー」と「ジー」の音が近似する音であることから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、彼此相紛らわしく、聞き間違えるおそれのある類似のものというべきであるが、

 

 本願商標の称呼を「イェーザイ」、「イーザイ」とした場合には、引用商標の称呼「イージー」とは、両者を構成する音の配列の相違から明らかに聞き分けることができるものであって、称呼上類似するものということはできないものである、としました。

 

 なお、本願商標から「イェーズィー」の称呼を生ずるとした場合においても、引用商標の「イージー」の称呼とは、両者ともに比較的短い音構成からなるものであり、かつ、語頭音の相違から、両者は称呼上類似のものとまではいえない。

 

 

 つまり、本願商標から生じうる複数の称呼の中の一において、引用商標から生ずる称呼と類似するにすぎず、本願商標のその他の称呼と引用商標の称呼とは類似するものではないこと、また、両商標は外観及び観念の明らかな相違があることを踏まえて、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想を総合して考察すれば、両商標は、出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商標というべきである、と判断されました。

 

 今回は、「YEEZY」の欧文字から生じる称呼と、「イージー」とが相紛らわしいかどうかが問題となりました。

 

 

 商標を構成する文字からいろいろな称呼が生じ得るようにすれば、たとえその中の一つが似た称呼を生じるものであっても、真似とは言わせないことができます。

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