登録第6526453号:横書きで大きく表された「KABACO」の欧文字(以下「文字部分」という。)と、文字部分の右側に、塗りつぶされた五角形と、その五角形を受けるように配置された凹型の図形よりなる図形部分とからなる構成

 

 指定商品は、第36類の各役務の商標は、

 

 登録第5445829号商標:

 

 「かば子」及び「カバコ」の文字を二段に横書きしてなる構成と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2021-010083)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字部分と図形部分は、視覚上、分離して看取、把握されうるものであり、また、両部分は、観念的に密接な関連性を有しているとはいえず、一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないものであるから、それぞれが独立して自他役務の識別標識として機能しうるものである。」

 

そして、

 

「文字部分からは、その構成文字に相応して、「カバコ」の称呼が生じる。また、文字部分は、一般的な辞書に載録がないうえに、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとも認められないから、特定の観念を生じることのない造語とみるのが相当である。」

 

そうすると、

 

「文字部分に相応して「カバコ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

一方、引用商標の

 

「上段の「かば子」の文字の構成中、「子」の文字は、「古くは男女ともに、今は女の名の下に添える語。」、「小さなもの、劣ったものの意で添える語。」、「人の意を表す語」及び「ものを表すのに添える語」(広辞苑第6版)の意味を有する接尾語等であるから、語尾に「子」が付された文字に接する者は、当該文字を女の名
として看取するか又は愛称として何らかのものを表していると認識するといえる。」

 

そうすると、

 

「「かば子」の文字は、直ちに人名と認められない場合があるとしても、何らかの愛称を認識させるものとみるのが自然である。また、下段の「カバコ」の文字は、上段の「かば子」の文字の読みを特定したものと理解されるものである。」

 

したがって、

 

「「カバコ」の称呼を生じ、愛称の一種である「かば子」ほどの観念を生じうるものである。」

 

そこで両者を比較すると、

 

「文字種及び文字数の差異から、両商標は、外観上、相紛れるおそれはない。」

 

称呼については、

 

「共に「カバコ」の称呼を生じることから、両商標は称呼において共通する。」

 

観念については、

 

「本願商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は愛称の一種である「かば子」ほどの観念を生じる。」

 

そうすると、

 

「「カバコ」の称呼を同一にするとしても、外観及び観念において相紛れるおそれのないものであるから、」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が共通しても、外観や観念で識別できる場合には、非類似になる場合があります。

 

 外観や観念で異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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