登録第6516968号:「GARDEN」、指定商品:第18,25類の各商品の商標は、

 

 登録第5786359号商標:

 

 「garden」、「by Valmuer」の欧文字を橙色で二段に表してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2021-008527)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「その構成文字に相応して「ガーデン」の称呼及び「庭」(ジーニアス英和辞典 第5版)の観念を生じるものである。」

 

一方、引用商標の、

 

「「garden」、「by」及び「Valmuer」の各構成文字は、大きさや書体の違いがあるものの、各文字は、いずれも同じ色彩で、バランスよく表されており、一体的な印象を与えるものである。」

 

また、

 

「「by」の文字は、「・・・によって、・・・による」(前掲書参照)の意味を有する平易な英語であり、「A by B」と表示される場合、「BによるA」ほどの意味合いにおいて「by」の前後を関連づけるための語として一般によく知られているから、引用商標は、その構成文字全体をもって看取されるものである。」

 

さらに、

 

「「Valmuer」の文字は、一般の辞書に載録のない語であるから、全体として「Valmuerによる庭」ほどの意味合いを認識させるものの、これよりは特定の観念が生じるものではない。」

 

そして、

 

「構成全体から生じる「ガーテンバイバリュミュアー」又は「ガーデンバイベルミュアー」の称呼もやや冗長ではあるものの、無理なく一連に称呼し得るものである。」

 

してみれば、

 

「これに接する取引者、需要者が、殊更「garden」の文字部分のみに着目するというより、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。」

 

そうすると、

 

「その構成文字全体に相応して、「ガーデンバイバリュミュアー」又は「ガーテンバイベルミュアー」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じるものではない。」

 

 したがって、

 

「引用商標の構成中、「garden」の文字を分離抽出し、当該文字が「ガーデン」の称呼及び「庭」の観念を生じる」ことはない

 

 として非類似の商標と判断されました。

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 商標の一部が共通しても、その部分が独立して認識されなければ非類似になる場合があります。

 

 商標全体の一体感が真似とは言わせないツボになります。

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