ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6452179号:「ETRE」の文字(その構成中、語尾の「E」の文字には、アクサンテギュが付されている。)と、「TOKYO」の文字とを、中心をそろえて二段に配置してなる構成、指定商品:第3類の各商品の商標は、

 

 登録第5576042号商標:

 

 「アソート アリア エトレ」の片仮名と、「ASSORT ALLIA」の欧文字と、「etre」の欧文字とを、中心をそろえて三段に配置してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2021-001040)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「下段の「TOKYO」の文字部分は、細く小さく表されており、上段に比してその高さは4分の1ほどであることから、外観上看者の注意を引きにくいといえることに加え、該文字は、地名である「東京」を欧文字で表したものと容易に認識されるところ、」

 

「指定商品との関係では、商品の産地又は販売地を想起させるものであって、商品の出所識別標識としての機能が低いか、果たし得ないといえる。」

 

「他方、上段の「ETRE」の文字部分は、太く大きく表されていることに加え、該文字は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、」

 

「指定商品の品質等を直接表示するものではないことからすれば、該文字部分は、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができ、該文字部分だけを要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。」

 

 そうすると、

 

「その要部の構成文字に相応して、「エトレ」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「欧文字部分は二段に配置されており、中段が大文字で下段が小文字で表されているとしても、同じ書体で外観上まとまりよく一体に表されているものであることに加え、上段の片仮名は、中段及び下段の欧文字の読みを一連に表したものと認識できるものである。」

 

「そして、欧文字部分中、「ASSORT」の文字は「分類する」等の意味を有する英語であるものの、「ALLIA」の文字及び「etre」の文字は辞書等に載録されている既成の語ではなく、かかる構成においては、欧文字部分のいずれかが、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというものでもない。」

 

 そうすると、

 

「引用商標に接する取引者、需要者は、殊更、特定の欧文字部分のみに着目することはなく、引用商標の構成全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語として把握、認識するというのが相当である。」

 

 したがって、

 

「その構成全体に相応して、「アソートアリアエトレ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで両者を比較すると、

 

「それぞれの態様において、明らかな差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 また、称呼については、

 

「「アソートアリア」の称呼の有無において、明らかな差異を有するものであるから、両商標は、称呼上、明瞭に聴別されるものである。」

 

 さらに、観念については、

 

「いずれの商標も特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。」

 

 そうすると、

 

「観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 

 今回は、一部が共通する商標との類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても、商標として認識される部分が異なる場合、非類似になります。

 

 認識される部分に違いをつくることが真似とは言わせないツボになります。

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