ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6422252号:「LYFT」(第2文字「Y」の上部にはアクセント記号と思われるものが付されている。以下、本願商標において同じ。)の欧文字を横書きしてなる構成

 

 指定商品:第25類の「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」での商標は、

 

 登録第6207671号商標:

 

 「RIFT」の欧文字を横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-014834)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、特定の意味合いを有する語として一般に親しまれたものでもないから、特定の観念は生じないものである。」

 

 また、

 

「特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、本願商標からは、「リフト」の称呼を生じるというのが相当である。」

 

 一方、引用商標の

 

「文字は、「亀裂」(「ジーニアス英和辞典第5版」大修館書店)を意味する英語ではあるものの、我が国において馴染みの無い語であって、直ちに特定の意味合いを想起させるものではないから、特定の観念は生じないものである。」

 

 そして、

 

「引用商標のように特定の語義を認識させない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、」

 

「「リフト」の称呼を生じるというのが相当である。」

 

 そこで両者を比較すると、

 

「外観においては、いずれも欧文字4文字という比較的短い構成において、語頭の「LY」と「RI」の文字の相違があり、かつ、本願商標の2文字目の「Y」の文字にはアクセント記号が付されていることから、両商標は、外観上明確に区別できるものである。」

 

 称呼については、

 

「「リフト」の称呼を共通にするものである。」

 

 観念は、

 

「いずれも特定の観念を有しないものであるから、観念上比較することはできない。」

 

 

 したがって、

 

「称呼を共通にするとしても、観念において比較できない上、外観において明確に区別できるものであり、その外観における相違が顕著であることから、」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標との類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念で識別できる場合は非類似になります。

 

 外観や観念で違いを出すことが真似とは言わせないツボになります。

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