ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6412531号:「I−DTC」、指定商品:第9類の各商品です。

 

 ところが、この商標は、

 

 登録第5406400号商標:

 

 上段に、レタリングされた「idtc」の文字を横書きし、そのすぐ下に、水平の直線を介して、「Imaging Device Technologies Corp.」の文字を横書きしてなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-012127)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の構成は、

 

「「I」の文字と「DTC」の文字との間に「−」(ハイフン)の符号を介するとしても、同じ書体、同じ大きさ、等しい間隔で、外観上、まとまりよく表されており、これから生じる「アイディーティーシー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。」

 

 そして、

 

「その構成全体として辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「アイディーティーシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「上段の「idtc」の文字部分は、そのうち「i」の文字の点に当たる位置に青色・緑色・赤色・白色で着色された4つの四角形の図形が描かれ、「d」の文字の内部に地球儀の経線と緯線のような交差する曲線及び「d」の文字をとり囲むような赤色の曲線が描かれているが、全体的には黒色の太い書体で表してなるものである。」

 

 そして、

 

「上段の「idtc」の文字部分、下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字部分及びそれらの間に位置する水平の直線は、いずれも全体的に黒色で表されていること、各部分の横幅がすべて同一となるように配置され、上下の間隔もさほど離れていないこと、上段の「idtc」の文字は、そのつづりから、下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字の頭文字を連想させるものとみるのが相当であることに照らせば、」

 

「上段の文字部分と下段の文字部分とが関連性を有する、まとまりのよい一体的なものとして把握し得るものである。」

 

 また、

 

「下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字は、そのうち、「Corp.」の文字が、「法人」を表す英語「Corporation」の略語であること
から、その全体をもって会社名を英語表記したものと認められるものである。」

 

 一方、

 

「上段の「idtc」の文字は、辞書に載録された既成語ではないから、それ自体、特定の語義を有しない造語と認められるところ、上記のとおり、下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の頭文字を連想させるものとみるのが相当であるから、それ自体から特定の観念が生じるものではない。」

 

 そうすると、

 

「その構成中の文字部分に相応して、「アイディーティーシーイメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジー」、「アイディーティーシー」といった複数の称呼が生じ得るものである。」

 

 また、

 

「その構成中の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字部分に相応して、「イメージングデバイステクノロジーという会社」を理解させるとしても、その構成全体からは特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで両者を対比すると、

 

「外観においては、本願商標と引用商標とは、図形及び色彩の有無、構成文字において明らかな差異があるから、両商標は、外観において、著しく相違する。」

 

 称呼においては、

 

「本願商標は、「アイディーティーシー」の称呼を生じるのに対し、引用商標は、「アイディーティーシーイメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジー」、「アイディーティーシー」といった複数の称呼が生じ得るから、両商標は、「アイディーティーシー」の称呼を共通にする場合がある。」

 

 観念は、

 

「いずれも特定の観念を生じるものではないから、両商標は、観念において、比較することはできない。」

 

 したがって、

 

「観念において比較できないものとしても、外観において、著しく相違するものであって、称呼において「アイディーティーシー」の称呼を共通にする場合だけでなく明瞭に聴別できる場合もあることから」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 

 

 今回は、称呼が共通する商標との類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、別の称呼があったり、他の要素が大きく異なる場合には非類似になります。

 

 複数の称呼を設けることが真似とは言わせないツボになります。

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