ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第54999012号:「剛研」、指定商品は第8類「皮砥,鋼砥,砥石」は、

 

(1)登録第2497210号商標:「CO−KEN」

 

(2)登録第4371880号商標:

 

 上段に「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字(その構成中の「Koken」の文字部分は、極太線を用い、かつ、各文字が連なる筆記体風の書体をもって表されている一方、その他の文字部分は、該「Koken」の文字に比してやや小さく、太線を用い、かつ、いわゆるブロック体をもって表されている。)、下段に、上下に各1本の横線を伴う「HIGH PERFORMANCE TOOLS OF CONVINCING QUALITY」の文字(各文字は、上段の各文字に比して小さく、細線を用い、かつ、いわゆるセリフ(serif)付きの書体で表されている。)がそれぞれ配されなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2011-014722号)が請求されました。

 

 審判では、まず、この商標の「「剛研」の文字は、辞書等に熟語としての用例が見当たらないことからすれば、一般に用いられることのない造語であって、直ち
に特定の読みを生ずることのないものであるところ、本願商標を構成する「剛」及び「研」の各文字は、いずれも常用漢字とされるものであって、前者は「ゴウ」の音読み及び「つよい。はがね。」の字義を、後者は「ケン」の音読み及び「みがく。とぐ。」の字義(「角川大字源」、株式会社角川書店発行)をそれぞれ有するもの
として一般に知られているものである、としました。

 

 その上で、

 

 その構成文字に相応して、「ゴウケン」の称呼及び「つよくみがく」ほどの意味合いを生ずるものというのが相当である、としました。

 

 次に、引用商標1は、その構成文字は、同書、同大で外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、「CO−KEN」の文字は、直ちに親しまれた特定の
語を想起させるものではなく、造語として認識されるものであり、かかる場合には我が国で親しまれた英語の発音に倣って称呼されるというのが相当であるところ、例えば、「co−」のつづりを共通にする英語の接頭辞「co−」が用いられた英語「co−worker」を「コワーカー」と発音し、また、「ken」のつづりを共通にする英語「Kentucky」を「ケンタッキー」と発音することに倣えば、該文字からは、「コケン」の称呼を生ずるというのが相当である、として、

 

 引用商標1は、「コケン」の称呼を生じ、特定の観念を生ずることのないものである、としました。

 

 さらに引用商標2については、各段を構成する文字は、上述のとおり、その大きさや書体等において顕著な差異を有するものであるのみならず、その構成態様に
照らせば、上段の「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字の方が看者の注意を惹きやすいというのが相当であるから、該文字が視覚的により強い印象をもって看取され得るものである。

 

 また、該文字は、その構成中に会社組織を表す英語「Company limited」の略語として広く知られ、かつ、我が国において法人名を英語表記する際に法人格を表すものとして一般に用いられている「CO.,LTD.」の文字を含んでなることから、看者をして、該文字全体をもって英語表記してなる法人名として理解されるとみるのが相当である、としました。

 

 そうとすると、引用商標2をその指定商品について使用した場合、その構成中の「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字部分は、分離、独立して商品の出所標識としての機能を果たし得るというべきであり、また、「CO.,LTD.」の文字は、上述のとおり、会社組織を表す英語の略語として認識されるものであるから、これを捨象した「Koken TOOL」の文字も、自他商品の識別力を有する部分というべきである、とした上で、

 

 「Koken TOOL」の文字についてみれば、その構成中の「Koken」の文字は、直ちに親しまれた特定の語を想起させることのない造語として認識されるものであるから、引用商標1における場合と同様に、例えば、英語の「koala」を「コアラ」と、同じく「Koran」を「コーラン」と発音することに倣えば、該「Koken」の文字は、「コケン」又は「コーケン」と称呼するものというのが相当である、としました。

 

 こうして、引用商標2は、その構成全体に相応する「コケン(又はコーケン)ツールカンパニーリミテッドハイパフォーマンスツールスオブコンビンシングクオリティー」の称呼を生ずるほか、その構成中の「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字部分(他の文字が捨象されて「Koken TOOL」の文字に相応する場合を含む。)に相応して、「コケン(又はコーケン)ツールカンパニーリミテッド」及び「コケン(又はコーケン)ツール」の称呼をも生ずるものであり、また、後者の場合にあっては、「コケン(又はコーケン)工具(社)」ほどの意味合いを看取させるものであるとして、称呼を比較すると、

 

 本願商標から生ずる「ゴウケン」の称呼と引用商標1から生ずる「コケン」の称呼とを比較するに、両者は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部において「ゴウ」の音と「コ」の音という明らかな差異を有するものであるから、これがそれぞれ4音と3音という短い音構成からなる両者の称呼全体に与える影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、相紛れるおそれのないものである、としました。

 

 引用商標2についても、その音構成において明らかな差異を有するものであるから、両者は、相紛れるおそれのないものである、として、さらに、外観、観念上も区別し得るから、この商標は引用商標とは非類似であると判断されました。

 

 

 今回は、「剛研」からどのような称呼や観念が生じるか、というところから、引用商標との類否が問題になりました。

 

 短い音構成の場合、異なる音が一文字だけであっても、その違いが目立ちます。

 

 造語の場合には、各文字の音から全体の称呼が推測されますので、どのような読み方をされるのが一般的か、ということを踏まえておくことで真似とは言わせないことができます。

「剛研」はこうして商標登録された関連ページ

メディキノコはこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「バケッ塔」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ハウスブレーン」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「XDSKIN」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロシャワー 」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ドクターフィッシュカフェ」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「Veeco」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「jna」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「IGUIDE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「オルガノサイエンス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「LASEE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロテアス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。