ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6379608号:「applay」の欧文字を太字のブロック体で横書きしてなる構成、指定商品役務:第28類の各商品の商標は、

 

 登録第5943175号商標:「APLAY」

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-006380)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の文字は、

 

「辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであるから、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読み、例えば「apple」を「アップル」と称呼することや、「play」を「プレイ」と称呼することなどに倣って、「アップレイ」の称呼が生じ、また、特定の観念が生じないものである。」

 

 一方、引用商標の文字は、

 

「辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであるから、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って、「アプレイ」の称呼が生じ、また、特定の観念が生じないものである。」

 

 そこで、両者を比較すると、外観は、

 

「3文字目の「P」の文字の有無、小文字か大文字かの表記の差異があり、これらの差異が、6文字と5文字という比較的短い文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえないから、両者は相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。」

 

 また、称呼を比較すると、

 

「両者は、語頭において促音を伴うか否かの差異を有し、その促音の有無の差異が、比較的短い音構成よりなる両称呼において、全体の音調、音感に及ぼす影響は小さいものとはいえず、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれのないものというのが相当である。」

 

 観念は、

 

「両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較できないものである。」

 

 そうすると、

 

「観念において比較できないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 

 今回は、一文字違いの商標の類似が問題となりました。

 

 商標の一文字以外が共通していても、その一文字の有無の外観や称呼への影響が大きいものであれば、互いに非類似となります。

 

 短い構成としつつ少しでも異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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