ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6354660号:多少デザイン化した「kirei」の欧文字を茶色で横書きし、末尾の「i」の上部の点部分を、緑色の葉状の図形で表した構成、指定商品役務:第11類の「便所ユニット,洗浄機能付き便座,便器,和式便器用椅子」の商標は、

 

 登録第5505354号商標:

 

 上段に「きれい」の平仮名を横書きし、下段に縞模様のドーナツ状図形を配してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-011723)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は「kirei」からなる。

 

 一方、引用商標の

 

「上段の「きれい」の文字は、「清潔なさま」(広辞苑 第七版)の意味を有する語であって、トイレ、洗面所、浴室等の衛生機器や住宅設備機器の分野においては、「清潔であること。美しいこと。」を表す語として使用されている実情があることから、」

 

「当該文字部分は、引用商標の指定商品との関係においては、商品の品質その他の特徴を表したものとして認識させるものであり、自他商品の識別標識として機能しないか、極めて弱いものといえる。」

 

 そうすると、

 

「その構成中の「きれい」の文字部分からは、自他商品の識別標識としての称呼、観念を生じないものとみるのが相当である。 」

 

 したがって、

 

「引用商標から「きれい」の文字部分を分離、抽出」することはできず、非類似の商標と判断されました。

 

 

 今回は、称呼が同一と思われる部分がある商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が同一と思われる部分があっても、その部分を抽出して認識することができなければ非類似となることがあります。

 

 使用する商品との関係から識別性の強弱を調整することが真似とは言わせないツボになります。

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