ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6345385号:「Cher Cheur」、指定商品役務:第3類の各商品の商標は、

 

 登録第4722806号商標:

 

 「Cherchoeur」(7文字目の「o」と8文字目の「e」が接するように表されている。以下同じ。)の欧文字を横書きし,2文字目の「h」の右下から8文字目の「e」の文字の左下にかけて,「シェルシュール」の片仮名を小さく横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-010890)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「Cher」の文字は,「容姿のよい」等の意味を有する英語(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館),または「親しい」等の意味を有するフランス語(「アポロ仏和辞典 第三版」株式会社角川書店)であって,「Cheur」の文字は,辞書等に掲載がなく,一種の造語として理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「全体として,特定の意味合いを生じることのない一種の造語として理解されるものである。」

 

「そして,特定の語義を有しない欧文字からなる商標については,我が国において広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,本願商標は,それに倣い,その構成文字に相応して,「チェルチェール」の称呼が生じるものである。」

 

 また、

 

「指定商品中「せっけん類,つけづめ,つけまつ毛,化粧品,脱毛用ワックス」を取り扱う分野においては,英語のみならず,しばしばフランス語由来の商標が採択されることは一般に知られていることに加え,」

 

「「Cher」と「Cheur」を結合し,「Cheur」の文字部分中の「C」の文字を小文字にした「Chercheur」のフランス語が「シェルシェール」と読まれることからすると,」

 

「その構成文字に相応して,フランス語風に「シェルシェール」の称呼をも生じ得るといえるものである。」

 

 したがって、

 

「「チェルチェール」又は「シェルシェール」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。」

 

 

 一方、引用商標は、

 

「「シェルシュール」の文字部分は,上段の「Cherchoeur」の文字部分の読みを表したものと認識されるものである。」

 

 そして、

 

「構成中「Cherchoeur」及び「シェルシュール」の文字はいずれも辞書等に掲載がなく,引用商標の指定商品を取り扱う分野において,特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから,特定の意味合いを生じることのない一種の造語として把握,認識されるものである。」

 

 したがって、

 

「「シェルシュール」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。」

 

 そこで、両者を比較すると、この商標は、

 

「「Cher Cheur」の欧文字9文字からなるのに対し,」

 

 引用商標は、

 

「「Cherchoeur」の欧文字10文字及び「シェルシュール」の片仮名7文字からなるものであって,両者は「シェルシュール」の文字の有無,構成文字及び文字数における明らかな差異がある。」

 

「そして,本願商標は「Cher」と「Cheur」の文字をスペースを介して連結していることから,2語からなる商標であると把握,認識されるのに対し,引用商標は1語からなる商標であると把握,認識されるものである。」

 

 したがって、

 

「外観上,判然と区別し得るものである。」

 

 称呼は、

 

「称呼の識別上重要な要素である語頭の「チェ」と「シェ」及び第3音の「チェ」と「シュ」の音に明確な差異を有するものであるから,両者は,明瞭に聴別し得るものである。」

 

 また、

 

「本願商標から生じる「シェルシェール」の称呼と引用商標から生じる「シェルシュール」の称呼とは,3音目の「シェ」と「シュ」において差異を有するところ,これらは母音を異にするものであって,しかも,それぞれ長音を伴って発音されるものであるから,比較的強く発音されるものであって,」

 

「両称呼が5音という比較的短い音構成からなることをも踏まえれば,上記の差異が,称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえないから,両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合,語調,語感を異にし,称呼上,明瞭に聴別し得るものである。」

 

 さらに、観念は、

 

「ともに特定の観念を生じないものであるから,比較することはできない。」

 

 したがって、

 

「観念において比較することができないとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,称呼においても,明瞭に聴別し得るものであるから,」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても、外観や称呼が異なることもあり、非類似となることがあります。

 

 少しでもある違いを強調することが真似とは言わせないツボになります。

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