ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6324864号:「SUSTAINABLE」の欧文字を,左右両端の文字を大きく,中央の文字に向かうにつれて少しずつ小さくなるように表し,その構成中の3文字目の「S」の文字から「B」の文字にかけて下線を配した構成、指定商品役務:第9類の「コンタクトレンズ及びその附属品,その他の眼鏡」の商標は、

 

 登録第6139070号商標:「サステナブル・ジャパン」の片仮名と「SUSTAINABLE JAPAN」の欧文字を上下二段に書してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-000498)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「SUSTAINABLE」の文字は,「持続可能な」(ベーシック ジーニアス英和辞典 株式会社大修館書店)の意味を有する英語として,一般に親しまれた語であるから,これよりは「持続可能な」の意味合いを理解,認識させ,かかる観念を生じるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「サステナブル」の称呼を生じ,「持続可能な」の観念を生じるものである。」

 

 

 一方、引用商標の

 

「上段の片仮名は,下段の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであるから,その構成文字に相応して,「サステナブルジャパン」の称呼を生じるものである。」

 

 そして、

 

「構成中,前半の「SUSTAINABLE」の文字が,前記(1)と同様に,「持続可能な」(前掲書)の意味を有する英単語であり,後半の「JAPAN」の文字が,「日本」を意味する英単語であるものの,これらを結合した「SUSTAINABLE JAPAN」の語は,既成の語ではなく,特定の意味合いを想起させるものとして一般に知られているともいえないものであり,一種の造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものといえる。」

 

 そうすると、

 

「その構成全体からは「サステナブルジャパン」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものといえる。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから,視覚的な印象が相違し,外観上,両者は相紛れるおそれのないものである。」

 

 称呼においては、

 

「両者は,「ジャパン」の有無という明らかな差異を有し,それぞれの音構成及び構成音数が相違することから,明らかに聴別され得るものであって,称呼上,両者は相紛れるおそれのないものである。」

 

 観念においては、

 

「本願商標からは「持続可能な」の観念を生じるものであるところ,引用商標からは特定の観念を生じないものであるから,観念上,両者は相紛れるおそれはないものである。」

 

 そうすると、

 

「外観,称呼及び観念のいずれにおいても,相紛れるおそれのない」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 商標の一部が共通していても、その一部を他の部分から切り離して識別できなければ非類似となることがあります。

 

 商標全体で異なる印象を与えることが真似とは言わせないツボになります。

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