ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6321797号:「D−PREX」、指定商品役務:第1,5,42類の各商品役務の商標は、

 

(1)登録第3221422号商標:

 

 「4−PLEX」を横書きしてなる構成

 

(2)登録第4575597号商標:

 

 「プレックス」の片仮名を上段に,「PLEX」の欧文字を下段に書してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-008539)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成文字は,同じ書体,同じ大きさをもって,等間隔に表されており,全体として,まとまりのよい一体のものとして把握し得るものであり,その構成文字全体から生じる「ディープレックス」の称呼も冗長ではなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。」

 

 また、

 

「当該文字は,辞書類に載録されていない造語であって,」

 

「指定商品及び指定役務を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから,」

 

「特定の観念が生じないものである。」

 

 そうすると、

 

「かかる構成や称呼から構成全体をもって不可分一体の造語を表したものとして取引者,需要者に認識されるとみるのが相当であるから,その構成文字に相応して「ディープレックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 

 一方、引用商標1の

 

「構成文字は,同じ書体,同じ大きさの「4」と「PLEX」の文字を,やや小さめの「−」(ハイフン)によって連結して表されており,全体として,まとまりのよい一体のものとして把握し得るものであり,その構成文字全体から生じる「フォープレックス」の称呼も冗長ではなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。」

 

 また、

 

「「4−PLEX」の文字は,全体として「10の4乗」ほどの意味を有する文字であるものの,取引者,需要者に,特定の意味合いを理解させる語として一般に知られているものとはいい難いため,特定の観念を生じることのない造語と理解されるとみるのが自然である。」

 

 そうすると、

 

「かかる構成や称呼から構成全体をもって不可分一体の造語を表したものとして取引者,需要者に認識されるとみるのが相当であるから,その構成文字に相応して「フォープレックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 引用商標2は、

 

「上段の片仮名は下段の欧文字の読みを表したものと認められるものであるから,その構成文字に相応し「プレックス」の称呼を生じる。また,当該文字は,辞書類に載録されていない造語であって,」

 

「引用商標2の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから,」

 

「特定の観念が生じないものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「プレックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、まず、引用商標1と比較すると、

 

「両者は,語頭の文字が「D」と「4」で異なり,かつ,4文字目が「R」と「L」で異なる等,その外観から受ける印象が異なることから,外観上明らかに区別できるものである。」

 

 称呼においては、

 

「語頭の「ディー」の音と「フォー」の音に明確な差異を有するから,明瞭に聴別できるものである。」

 

 観念においては、

 

「両者はいずれも特定の観念を生じないため,比較することはできない。」

 

 そうすると、

 

「観念において比較することができないものの,外観及び称呼において明らかに区別できる」

 

 引用商標2に対しては、

 

「外観において,顕著な差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。」

 

 称呼については、

 

「構成音数が異なる等,明確な差異を有するから,明瞭に聴別できるものである。」

 

 観念においては、

 

「両者はいずれも特定の観念を生じないため,比較することはできない。」

 

 そうすると、

 

「観念において比較することができないものの,外観及び称呼において明らかに区別できる」

 

 よって、非類似の商標と判断されました。

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 商標の一部が共通していても、外観や称呼で異なったり、観念で比較できない場合には非類似となることがあります。

 

 商標全体で異なる印象を与えることが真似とは言わせないツボになります。

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