登録第6311415号：「ｅ−コロナ」、指定商品：第７，９，１１類の各商品の商標は、
（１）登録第2208598,2701379号商標：
「ＣＯＲＯＮＡ」の欧文字からなる構成
（２）登録第4094434号商標：「株式会社コロナ」
（３）登録第4134264号商標：
「ＣＯＲＯＮＡ］のＲの右側のＯが歯車状に形成された構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判（不服2020-007949）が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「構成は，欧文字「ｅ」と片仮名「コロナ」とを「−」（ハイフン）を介して，横一列に一体的に表してなり，」
「構成全体から生じる「イーコロナ」の称呼も５音と短く，よどみなく一連に称呼し得るものである。」
そして、
「構成中の「ｅ」の欧文字が，「電子の，インターネットの」という意味を有するものであるとしても，横一列に一体的に表された「ｅ−コロナ」の文字からなる本願商標に接する取引者，需要者は，本願商標をその構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識，把握するとみるのが自然である。」
また、
「指定商品との関係において，その構成中の「コロナ」の文字部分のみが自他商品の識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる特段の事情は見いだせない。」
そうすると、
「その構成文字に相応して「イーコロナ」の一連の称呼のみを生じるものであり，特定の観念を生じない」
一方、引用商標からは、
「「コロナ」の称呼及び「太陽大気の最外層あるいはコロナ放電に伴って発せられる光」の観念を生じる」
ことから、非類似の商標と判断されました。
今回は、一部の構成が共通する商標の類否が問題となりました。
一部が共通していても、全体として識別できる場合には非類似になります。
一体感が出るような構成にすることが真似とは言わせないツボになります。
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