ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6294970号:「Galerie」の欧文字(「G」の文字には、文字右側下から曲線が延びて途中で小さく一回転しているデザインが施されている。)を横書きしてなる構成、指定商品:第14類の「身飾品,貴金属,宝玉の原石,宝玉及びその模造品,宝石箱,時計」の商標は、

 

 登録5211043号商標:

 

黒く塗りつぶした円の内側に白抜きの「G・」の文字及び記号を有する図形を表し、その下部に、各文字の書き終わりと書き始めを細い線でつなぐデザインが施された「Gallery」の欧文字を横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-013266)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「欧文字は、「画廊」の意味を有する仏語であるとしても、我が国において馴染みのない語であって、特定の意味合いを直ちに想起させるものではない。」

 

 そして、

 

「欧文字からなる我が国において馴染みのない語については、我が国において親しまれている英語読み風又はローマ字読み風に倣って称呼される場合が多いといえる。」

 

 そうすると、

 

「ローマ字読み風で「ガレリエ」の称呼が生じるほか、英語読みに倣って称呼される場合の1つとして、本願商標の構成中、「Ga」の部分は、「gal」(女の子)、「galaxy」(銀河)などの英語読みに倣い「ギャ」と発音し、「le」の部分は、「talent」(タレント)、「palette」(パレット)、「calender」(カレンダー)などの英語読みに倣い「レ」と発音し、「rie」部分は、「calorie」(カロリー)、「lingerie」(ランジェリー)などの英語読みに倣い「リー」と発音することにより、全体として「ギャレリー」の称呼をも生じるものといえる。」

 

 そうすると、

 

「「ガレリエ」の称呼のほか、「ギャレリー」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。」

 

 一方、引用商標の

 

「欧文字部分は、「画廊、美術館」(出典:「ベーシックジーニアス英和辞典」株式会社大修館発行)の意味を有する平易な英単語である。」

 

 そうすると、

 

「その構成中、欧文字部分から、「ギャラリー」の称呼が生じ、「画廊、美術館」の観念が生じるものとみるのが相当である。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「図形の有無及び書体の相違により、外観上、判然と区別し得るものであり、また、本願商標と引用商標の構成中、欧文字部分との対比においても、中間における「l」の有無及び語尾における「y」と「ie」との相違並びに書体の相違により、外観上、判然と区別し得る。」

 

 称呼は、

 

「両称呼は、第2音の「レ」と「ラ」の音の差違があるところ、該差異音である「レ」及び「ラ」は、いずれも弾音であって、比較的強く響く音であり、明瞭に発音されるといえるものであるから、4音(長音含む。)という比較的短い音構成からなる各称呼において、上記差異音が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さいものとはいえず、これらを一連に称呼しても、全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはないというべきである。」

 

 また、

 

「本願商標から生じる「ガレリエ」の称呼と引用商標から生じる「ギャレリー」の称呼とは、その構成音が異なるものであって、互いに聴き誤るおそれはない。」

 

 さらに、

 

「本願商標は、観念が生じないものであるのに対し、引用商標は、「画廊、美術館」の観念が生じるものであるから、両商標は、観念において、相紛れることはない。」

 

 そうすると、

 

「外観においては、判然と区別し得るものであり、また、称呼及び観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品又は役務に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはない」

 

 として、非類似の商標と判断されました。

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 日本では英語はなじみ深い外国語になりますが、それ以外はよく使用されているもの以外はなじみがない、とされます。

 

 別の国の言語にすることが真似とは言わせないツボになります。

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