ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6289453号:「オーヴォ」、指定商品:第25類の各商品の商標は、

 

 登録第5885471,6157512号商標:「OVO」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-005518)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は、

 

「その構成文字に相応して「オーヴォ」の称呼が生じる。そして、当該片仮名は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものであり、特定の観念を生じない。」

 

 一方、引用商標の

 

「欧文字は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものであり、特定の観念を生じない。」

 

 そして、

 

「当該欧文字は、上記のとおり一連の成語を形成するものではなく、アルファベット3文字を羅列してなるものであって、このような場合、発音に際しては一気一連というよりも、一文字一文字を区切って明確に発音される場合が多いといえるから、その構成文字に相応して「オーブイオー」又は「オオブイオオ」の称呼が生じる。さらに、当該欧文字は、ローマ字風の読みで、「オヴォ」の称呼が生じると認めるのが相当である。」

 

 そこで、両者の外観を比較すると、

 

「文字種が片仮名か欧文字かで判然と区別できるのに加えて、「OVO」の欧文字は、これを片仮名で表記するならば、その称呼のとおり、「オーブイオー」、「オオブイオオ」又は「オヴォ」と表記することが通常であるといえることから、当該欧文字から「オーヴォ」の表記を直接想起するとはいいがたく、これら表記上
の関連性を見いだし難い。よって、両者は、外観上、相紛れるおそれのないものである。」

 

 称呼においては、

 

「音数が3音又は6音と大きく異なるものであるし、また、本願商標の称呼「オーヴォ」と引用商標の称呼の一である「オヴォ」とは、長音の有無の差を有するところ、このような差異が3音と2音という短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は少なくない。よって、両者は、称呼上、相紛れるおそれのないものである。」

 

 観念においては、

 

「両者は、いずれも、特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。」

 

 してみると、

 

「観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 今回は、称呼が近いと思われた商標の類否が問題となりました。

 

 アルファベットの短い商標の場合、発音に際しては一気一連というよりも、一文字一文字を区切って明確に発音されるか、ローマ字風の読みになりやすいです。

 

 となると違いが明らかになることも多いです。

 

 文字種を変えることが真似とは言わせないツボになります。

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