ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6271759号:「DAYFORCE」、指定商品:第9,16,35,36,41,42,45類の各商品・役務の商標は、

 

(1)登録第5374468号商標:

 

 5つの黒色の多角形が組み合わされた図形の下部に「D−FORCE」の欧文字を横書きしてなる構成

 

(2)登録第5374468号商標:

 

 「Dforce」の欧文字及び「ディーフォース」の片仮名を上下二段に横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-014076)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「欧文字は,辞書等に掲載がなく,特定の意味合いを有しない造語と理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「デイフォース」又は「デーフォース」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1の

 

「図形部分と文字部分とは,間隔を空けて配置されていること及び図形と文字との相違から,両者は視覚上,明確に分離して看取されるものである。」

 

 そして、

 

「引用商標1の構成中の図形部分は,特定の意味合いを認識させるものではないことから,特定の称呼及び観念を生じないものであり,また,文字部分は,辞書等に掲載がなく,特定の意味合いを有しない造語と理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「図形部分と文字部分は,視覚上,明確に分離して看取されること,かつ,観念的なつながりを見いだすことはできず,一連一体の称呼が生じるともいえないことからすると,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められないものであるから,」

 

「引用商標1は,図形部分又は文字部分が,それぞれ要部として自他役務識別標識としての機能を果たし得るものといえる。」

 

 以上より、

 

「引用商標1は,その構成中の文字部分に相応して「ディーフォース」又は「デーフォース」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。」

 

 また、引用商標2の

 

「両文字は,辞書等に掲載がなく,特定の意味合いを有しない造語と理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「両文字に相応して「ディーフォース」の称呼が生じるほか,上段の欧文字から「デーフォース」の称呼も生じる場合があるといえる。」

 

 そこで、それぞれ外観を比較すると、引用商標1とは、

 

「図形の有無に加え,欧文字について,後半の「FORCE」のつづりは共通するものの,全体の文字数,書体,ハイフンの有無など顕著な差異を有することから,外観上,明確に区別できるものである。」

 

 引用商標2とは、

 

「片仮名の有無に加え,欧文字について,後半の「FORCE」又は「force」のつづりは共通するものの,全体の文字数,書体など顕著な差異を有することから,外観上,明確に区別できるものである。」

 

 称呼においては、

 

「「デーフォース」の称呼を共通にする場合がある。」

 

 観念においては、

 

「共に特定の観念を生じないものであるから,両者は,観念上,比較することはできない。」

 

 そうすると、

 

「称呼が共通し,観念において比較することができないとしても,外観において,その印象が著しく異なり,明確に区別できるものであるから,」

 

 非類似とされました。

 

 今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通しても外観や観念で識別できれば非類似です。

 

 何かで大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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