ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6264010号:「RILY」、指定商品:第9,14,16,18,24,25,28類の各商品の商標は、

 

(1)登録第1670308号商標:

 

 「リリー」の片仮名の各文字部分の先端にひげのような装飾を施した態様からなる構成

 

(2)登録第4991147号商標:

 

 「りりー」の平仮名をややデザイン化した態様からなる構成

 

 とそれぞれ類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2020-000001)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味合いを想起させるものではなく,一種の造語として理解されるものである。」

 

「そして,特定の意味を有しない欧文字は一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,」

 

「その構成中「RILY」の欧文字に相応して,「リリー」の称呼を生じるというのが相当である。」

 

 一方、引用商標1は、

 

「「百合」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味する外来語として広く一般に親しまれていることから,当該文字に相応して「リリー」の称呼及び「百合」の観念を生じるものである。」

 

 引用商標2は、

 

「同様に「百合」を意味する外来語であることから,当該文字に相応して「リリー」の称呼及び「百合」の観念を生じるものである。」

 

 そこでそれぞれを比較すると、外観においては、

 

「欧文字と,片仮名または平仮名(ややデザイン化したもの)といった,構成する文字の種類に差異を有し,加えて,本願商標は標準文字で表した態様である一方,引用商標はそれぞれ,装飾やデザイン化がなされている態様であることから,視覚的な印象が相違し,外観上,両者は相紛れるおそれのないものである。」

 

 称呼については、

 

「ともに「リリー」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者はその称呼を共通にするものである。」

 

 観念については、

 

「本願商標からは特定の観念を生じないものであるところ,引用商標からは「百合」の観念を生じるものであるから,観念上,両者は相紛れるおそれはないものである。」

 

 として、

 

「称呼において共通するとしても,外観において明瞭に区別できるものであって,観念において相紛れるおそれのないものであるから,」

 

 非類似の商標とされました。

 

 今回は、称呼が共通すると思える商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念で区別できれば非類似とされる場合が多いです。

 

 外観や観念で大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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