ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6245293号:「TUCKER」、指定商品・役務:第6類の各商品の商標は、

 

 登録第6108743号商標:一部に日本の城の屋根のような図形及び家紋のような図形を有し,さらに,ロボット人形の顔,手,足のような図形部分と,そのすぐ下に黒色で書した「タッカー」の文字とを組み合わせてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-014183)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は,「ひだを取る人(もの)」等の意味を有する英語として辞書に載録された既成語であるものの(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館),我が国においてその意味が広く知られた語とまではいえないから,一種の造語として理解されるものであり,特定の観念を生じないものである。」

 

 そして、

 

「造語として理解される欧文字は,一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,「TUCKER」の欧文字は,英語の読みに倣って「タッカー」の称呼を生じるものである。」

 

 したがって、

 

「その構成文字に相応して,「タッカー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「図形部分全体として,日本の城をモチーフとしたロボット人形のキャラクターを表したもの(以下,図形部分全体を「キャラクター図形」という。)と理解されるものである。」

 

 また、

 

「当該キャラクター図形は,目にあたる部分を黄色,腕にあたる部分を茶色としつつ,全体的には,そのすぐ下に位置する「タッカー」の文字の黒色と同系色といえる,黒,グレー,白の色を基調とした色彩構成からなるものである。」

 

 そして、

 

「「タッカー」の文字は,「ミシンのひだ取り器,押さえ金と交換して取り付ける。」等の意味を有する外来語として辞書に載録された語であるものの(「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」株式会社三省堂),我が国においてその意味が広く知られた語とまではいえないことから,一種の造語として理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「引用商標の上記のような構成態様において,一種の造語として理解される「タッカー」の文字は,そのすぐ上に位置するキャラクター図形の名称又は愛称を表したものと無理なく理解,認識できるものである。」

 

 したがって、

 

「その構成中の「タッカー」の文字に相応して「タッカー」の称呼を生じ,構成全体から,「『タッカー』という名称又は愛称のキャラクター」程の観念を生じるものとみるのが相当である。」

 

 そこで両者を比較すると、

 

「外観においては,図形の有無の差異,及び本願商標を構成する「TUCKER」の文字と引用商標の構成中の「タッカー」の文字とにおける文字種の差異を有することから,外観上,その印象が著しく相違し,判然と区別し得るものである。」

 

 称呼については、

 

「同一である。」

 

 観念については、

 

「本願商標は,特定の観念を生じないものであり,引用商標は,「『タッカー』という名称又は愛称のキャラクター」程の観念を生じるものであるから,観念上,明らかに区別し得るものである。」

 

 そうすると、

 

「称呼上,同一であるとしても,外観上,その印象が著しく相違し,判然と区別し得るものであり,観念上も,明らかに区別し得るものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,」

 

 非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が同一の商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が同一であっても、外観が大きく異なれば非類似になる場合があります。

 

 目立つ部分が異なることが真似とは言わせないツボになります。

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