登録第6242264号：「ＭＡＹＡＤＯ」の欧文字と「ＫＩＮＪＡ−ＳＥＩ」の欧文字を２段に横書きしてなる構成、指定商品・役務：第５類の「薬剤」の商標は、
登録第1706665号商標：「金蛇精」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判（不服2019-011835）が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「上段の文字部分と下段の文字部分とが近接して表されていることに加え，構成各文字が同じ書体，同じ大きさで表されており，また，上段の文字部分と下段の文字部分の両端をそろえて表されていることも相まって，全体として外観上まとまりよく一体的に構成されているものであり，構成文字全体から生じる「マヤドキンジャセイ」の称呼も，格別冗長というべきものでなく，無理なく一連に称呼し得るものである。」
そして、
「「ＭＡＹＡＤＯ」と「ＫＩＮＪＡ−ＳＥＩ」の文字は，いずれも特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであり，その構成中，「ＫＩＮＪＡ−ＳＥＩ」の文字部分のみが取引者，需要者に対し，商品の出所識別標識として，強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情も見いだせない。」
そうすると、
「その構成全体をもって不可分一体の造語を表したものとして取引者，需要者に認識されるというのが相当であるから，その構成文字に相応して，「マヤドキンジャセイ」の称呼のみを生じ，特定の観念を生じないものである。」
として、
「「ＫＩＮＪＡ−ＳＥＩ」の文字部分を分離，抽出し，その上で「キンジャセイ」の称呼」が生じることはないことから、引用商標とは非類似の商標とされました。
今回は、商標の一部が共通する商標の類否が問題となりました。
商標jの一部が共通していても、構成全体が不可分一体であれば、非類似になる場合があります。
分離認識できないよう一体感を高めることが真似とは言わせないツボになります。
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