ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6232699号:「Frein」の欧文字と「フレイン」の片仮名を、左右の両端をそろえ、上下二段に横書きしてなる構成、指定商品・役務:第20類の「家具,つい立て,びょうぶ」の商標は、

 

 登録第5753184号商標:

 

 「フレイ」の片仮名と「FREI」の欧文字を、上下二段に中央揃えで横書きしてなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-006509)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は、

 

「下段の片仮名部分は上段の欧文字部分の読み仮名を表してなるものと容易に認識できるため、」

 

「その構成文字に相応して「フレイン」の称呼が生じる。」

 

 そして、

 

「「Frein」の欧文字と「フレイン」の片仮名は、共に辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、本願商標からは、特定の観念は生じない。」

 

 一方、引用商標は、

 

「上段の片仮名部分は下段の欧文字部分の読み仮名を表してなるものと容易に認識できるため、引用商標からは、その構成文字に相応して「フレイ」の称呼が生じる。」

 

 そして、

 

「「フレイ」の片仮名と「FREI」の欧文字は、共に辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、引用商標からは、特定の観念は生じない。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「本願商標が欧文字と片仮名とを、それぞれ上段及び下段に配してなるのに対し、引用商標は、欧文字を下段に片仮名を上段に配するという差異を有するとともに、上段と下段に配された文字幅につき、それぞれ同じか否かという差異も有する。」

 

 次に、両者の欧文字部分についてみると、

 

「両者は、語頭の「F」の欧文字が一致するとともに2文字目から4文字目の「r(R)」「e(E)」「i(I)」の欧文字のつづりを共通にするものであるが、2文字目から4文字目については、そのつづりにつき小文字と大文字の差異を有し、さらに、語尾の「n」の欧文字の有無という差異を有するのであり、これらの差異が、5文字と4文字という比較的短い欧文字部分を含む両商標の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえない。」

 

 そして、両者の片仮名部分についてみても、

 

「両者は、1文字目から3文字目の「フ」「レ」「イ」の文字が一致するものであるが、語尾の「ン」の文字の有無という差異を有するのであり、このような差異が、4文字と3文字という比較的短い片仮名部分を含む両商標の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえない。

 

 以上によれば、

 

「外観において相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。」

 

 称呼は、

 

「両者は、語尾において「ン」の音の有無という差異を有するのであり、このような差異が4音と3音という短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は少なくなく、よって、両者は、称呼において相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。」

 

 観念は、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。」

 

 したがって、

 

「観念において比較できないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、」

 

 非類似の商標とされました。

 

 今回は、一部の構成が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 一部の構成が共通しても商標全体が短い構成の場合には、差異が目立つことから非類似と判断される場合が多いです。

 

 商標全体でいかに異ならせるかが真似とは言わせないツボになります。

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