ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6223831号:「TRUNC 88」、指定商品・役務:第9,11,14,16,18,20,21,24,25類の各商品の商標は、

 

(1)登録第2024301号商標:

 

 「TRUNK」の文字を中央に表し,当該文字部分のうちの「RUN」の部分の上下に,極めて単純な四角図形を配する構成

 

(2)登録第5138891号商標:「TRUNK」

 

(3)登録第5710796号商標:

 

 「TRUNK」及び「トランク」の各文字を上下二段に横書きしてなる構成

 

(4)登録第5871434号商標:「TRUNK」

 

(5)登録第5907756号商標:「TRUNK」

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-008344)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「「TRUNC」の欧文字と「88」の数字とを,一文字分の空白を介して結合してなるものである。」

 

 そして、

 

「後半の「88」の文字部分は,数字2文字よりなるところ,数字2文字が商品の品番,型番等を表示するための記号,符号の一類型として取引上普通に採択,使用されていることからすると,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか,識別標識としての機能が弱い部分であるというのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成中「TRUNC」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから,当該文字部分を要部として取り出し,これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。」

 

 また、

 

「その構成中「TRUNC」の欧文字部分が辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味合いを想起させるものではなく,一種の造語として理解されるものである。」

 

「そして,特定の意味を有しない欧文字は一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,本願商標は,その構成中「TRUNC」の欧文字部分に相応して,「トランク」の称呼を生じるというのが相当である。」

 

 以上より、

 

「その要部である「TRUNC」の文字部分に相応して,「トランク」の称呼をも生じるものであって,特定の観念は生じない。」

 

 一方、引用商標1の

 

「図形部分と文字部分とは,一見して明確に区別して認識できることに加え,図形部分が極めて単純な四角図形であって,単なる背景図形として看取され,独立して商品の出所識別標識としての称呼,観念を生じることのないものというのが相当であるから,「TRUNK」の文字部分が,看者に強い印象を与える部分であるといえる。」

 

 そして、

 

「その構成中「TRUNK」の文字が,「トランク。旅行用の長方形の大型鞄かばん。乗用車の後尾にある荷物入れ。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意を有するものとして広く一般に親しまれていることから,当該文字に相応して「トランク」の称呼及び「大型鞄かばん。荷物入れ。」程の観念を生じるものである。」

 

 引用商標2は、

 

「その構成文字に相応して「トランク」の称呼」

 

 及び

 

「「大型鞄かばん。荷物入れ。」程の観念を生じるものである。」

 

 引用商標3の

 

「下段の片仮名は,上段の欧文字の読みを表したものと無理なく把握させるものであるから,その構成文字に相応して,「トランク」の称呼及び上記イと同様に「大型鞄かばん。荷物入れ。」程の観念を生じるものである。」

 

 引用商標4、5は、

 

「その構成文字に相応して「トランク」の称呼

 

 及び

 

「「大型鞄かばん。荷物入れ。」程の観念を生じるものである。」

 

 

 そこで、各引用商標と比較すると、外観については、

 

「末尾の「C」と「K」に差異を有するところ,この差異は,共に5文字というさほど多くない文字数においては,別異の語であるとの印象を与えるものであるから,両者は,視覚的な印象が相違し,外観上,相紛れるおそれのないものである。」

 

 称呼は、

 

「ともに「トランク」の称呼を生じるものであって,その称呼を共通にするものである。」

 

 観念は、

 

「本願商標の要部からは特定の観念を生じないものであるところ,引用商標からは「大型鞄かばん。荷物入れ。」の観念を生じるものであるから,本願商標と引用商標とは,観念において相紛れるおそれはない。」

 

 したがって、

 

「称呼において共通するとしても,外観において明瞭に区別できるものであって,観念において相紛れるおそれのないものであるから,これらの外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,」

 

 非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念で異なれば非類似とされる場合があります。

 

 外観や観念で違いを出せるかが真似とは言わせないツボになります。

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