ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6212429号:「Bior」の欧文字を、灰色の縁取りをした白抜き文字に影付きのデザインがされた書体で横書きしてなる構成、指定商品・役務:第3類の「せっけん類,洗顔料,化粧品,香料,薫料」の商標は、

 

 登録第5041030号商標:

 

 「ビオール」の片仮名と「BIALL」の欧文字とを、いずれも明朝体の書体で上下二段に横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-007557)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「欧文字は、辞書類に載録されていない造語であって、本願商標の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、」

 

「特定の観念が生じないものである。」

 

 また、

 

「指定商品を取り扱う分野においてしばしばフランス語由来の商標が使用されることは普通に知られており、加えて、例えば、末尾が「or」で終わるフランス語である「corridor」を「コリドール」、「tenor」(「e」の文字にはアクサン記号が付されている。)を「テノール」と読むことなどからすれば、」

 

「その構成文字に相応して、フランス語風に「ビオール」との称呼を生じ得るものと認められる。」

 

 一方、

 

「一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるところ、」

 

 引用商標中、

 

「「BIALL」の欧文字のうち、「BI」が「ビ」と発音され得るとともに、「ALL」が「オール」と発音され得ることは、それぞれローマ字読み及び英語読みの観点から、理解できることである。」

 

 そうすると、

 

「「ビオール」の文字が「BIALL」の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できると認められる。」

 

 よって、

 

「引用商標からは、「ビオール」との称呼が生じる。

 

 また、

 

「「ビオール」の文字及び「BIALL」の欧文字は、いずれも、辞書類に載録されていない造語であって、」

 

「指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、引用商標からは、特定の観念が生じないものである。」

 

 

 そこで、両者を比較すると、外観については、

 

「本願商標の語頭に位置する「Bi」の欧文字と引用商標中、欧文字部分の「BIALL」の語頭に位置する「BI」の欧文字とを、大文字小文字の差を措いて共通にするものであるが、その余の文字をすべて異にするものである。」

 

 また、

 

「両者は、構成文字数が異なることに加え、文字のデザイン及び段構成等、態様が異なるものであることから、視覚的な印象が著しく相違し、外観上、判然と区別し得るものである。」

 

 称呼は、

 

「「ビオール」の称呼を共通にするものである。」

 

 観念は、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。」

 

 したがって、

 

「称呼においては共通する場合があり、観念において比較できないとしても、外観においては、その印象が著しく相違し、判然と区別し得るものであるから、その称呼の共通性が外観における差異を凌駕するとは言い難く、」

 

 両商標は、非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念で異なるものがあれば、そちらの違いが優先します。

 

 どこかで大きく違いを出すことが真似とは言わせないツボになります。

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