ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6181405号:茶色の欧文字で「KOKKA」と書してなる構成、指定商品・役務:第24類の「タオル,手ぬぐい,ハンカチ」の商標は、

 

 登録第800406号商標:「国華」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-013757)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は辞書等に載録された成語ではなく、また本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の観念を生ずることのない一種の造語を表したものといえる。」

 

 そして、

 

「特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、本願商標は、その構成文字に相応して、「コッカ」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念が生じるものではない。」

 

 一方、引用商標は、

 

「広辞苑第5版には、「国華」について、「国のひかり」、「国の名誉」及び「月刊美術雑誌」の意味が記載されているが」

 

「いずれも我が国において親しまれている、又はその意味がよく知られている語とは認められないから、直ちに特定の観念は生じないものの、「国」と「華」の各文字は一般人にとって馴染みがあり容易に観念を想起し得る漢字であるから、それぞれの有する広く知られた意味に従い、「国の華」程の意味合い(観念)が想起されるものである。」

 

 また、

 

「その構成文字に相応して、「コッカ」及び「クニハナ」の称呼が生ずるものである。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「それぞれ、文字種(欧文字又は漢字)、文字数及び書体が相違するものであるから、外観上、判然と区別し得る。」

 

 称呼は、

 

「互いに「コッカ」の称呼を共通にする場合と、構成音数等の違いにより容易に聴別できる場合があるといえる。」

 

 観念は、

 

「本願商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は、「国の華」程の意味合い(観念)を想起させるものであるから、両商標は、観念において、類似するとはいえない。」

 

 したがって、

 

「「コッカ」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、」

 

 両者は非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通する場合があっても、外観や観念で違いがあれば非類似になる場合があります。

 

 外観や観念で明確に識別することが、真似とは言わせないツボになります。

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