ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6138586号: 「H’OURS」(「O」の文字は,時計と思しきデザインが施されている。)の文字を黄緑色でまとまりよく一体的に表してなる構成、指定役務:第9,35,41,42類の各商品・役務の商標は、

 

(1)登録第4791416号:

 

(2)登録第5724425号:

 

 何れも「アワーズ」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-010934)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は、

 

「「H」の後に「’」(アポストロフィー)が付されていることから,アポストロフィーの前後をそれぞれ「エイチ」及び「アワーズ」と読むことで「エイチアワーズ」の称呼が生じる。」

 

 また、

 

「アポストロフィーを除いた「HOURS」が「時間」の意味を有する我が国において親しまれた英語「HOUR」の複数形とつづり字が同じであること」

 

「構成文字中「O」の文字が時計を認識させる態様で表されていること」

 

 から、

 

「単に「アワーズ」の称呼とともに「時間」に関する観念を想起させる余地がある。」

 

 したがって、

 

「「エイチアワーズ」又は「アワーズ」の称呼が生じ,「時間」に関する観念が生じ得るものと認められる。」

 

 

 一方、引用商標は、

 

「「アワーズ」の称呼を生じ,直ちに特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。」

 

 そこで、両者を対比すると、外観は

 

「構成文字が異なるばかりでなく,前者は黄緑色でデザイン化された特徴ある態様で表されているのに対し,後者は格別特徴を有しない書体(標準文字)で表されているものであるから,明瞭に区別し得るものである。」

 

 また、

 

「称呼において「アワーズ」の称呼を共通にする場合もあるが,本願商標からは「エッチアワーズ」の称呼も生じるため,両者に接する取引者,需要者にあっては,称呼は同じ場合と異なる場合があるといえる。」

 

 観念においては、

 

「本願商標が「時間」の観念を生じ得るのに対し,引用商標が特定の観念を生じないものであるから,相紛れるおそれのないものである。」

 

 そうすると、

 

「称呼において同じ場合だけでなく異なる場合もあり,外観において明瞭に区別できるものであって,観念において相紛れるおそれのないものであり,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,」

 

 引用商標とは非類似である、とされました。

 

 

 今回は、一つの称呼が共通する場合のある商標の類否が問題となりました。

 

 一つの称呼が共通していても、外観や観念で相紛れることがなければ非類似となる場合があります。

 

 色々な称呼が可能な文字を並べてみることが真似とは言わせないツボになります。

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