ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6136926号: 「JIN」、指定商品等:第6類の「鉄及び鋼」の商標は、

 

 登録第5525404号:「GIN」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-000930)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「欧文字は,辞書類に載録された成語とは認められないから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。」

 

 そして、

 

「欧文字3文字を羅列してなる造語の場合は,通常は,一文字一文字を区切って明確に発音されるというべきであるから,」

 

「「ジェイアイエヌ」の称呼を生じるものである。」

 

 また、

 

「欧文字からなる造語の場合は,我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼される場合もあるというべきであるから,」

 

「ローマ字の読みに倣って「ジン」の称呼を生じる余地もあるといえるものである。」

 

 そうすると、

 

「「ジェイアイエヌ」又は「ジン」の称呼を生じるものであり,また,特定の観念を生じないものである。」

 

 

 一方、引用商標の

 

「構成文字と同一の欧文字からなる英単語の「gin」は,「ジン,オランダ原産の無色透明の蒸留酒,ライ麦を原料に,ジュニパー・ベリーで香りをつけたもの」等(「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)の意味を有する語として,辞書に載録されているものである。」

 

 そして、

 

「「ジン(gin)」の語が,「ライ麦等を原料とし,杜松の実で香味をつけた蒸留酒」の意味を有するものとして,「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店)及び「コンサイスカタカナ語辞典第4版」(株式会社三省堂)にも載録されていることからすると,上記の英単語の「gin」は,我が国においてある程度知られているものと認められる。」

 

 そうすると、

 

「上記の英単語の「gin」に相応した「ジン」の称呼を生じ,「ジン,オランダ原産の無色透明の蒸留酒」の観念を生じるものである。」

 

 そこで、両者を対比すると、外観は

 

「構成中の欧文字3文字中,語頭において「J」と「G」の差異を有するところ,3文字という短い文字構成における,印象に残りやすい先頭文字における差異は,視覚上,大きなものというべきであるから,」

 

「外観上,判然と区別し得るものである。」

 

 また、「ジン」の称呼を生じる場合、

 

「両商標は,その称呼を共通にするものである。」

 

 さらに、

 

「本願商標は,特定の観念を生じないものであるのに対し,引用商標は,「ジン,オランダ原産の無色透明の蒸留酒」の観念を生じるものであるから,両者は,観念上,相紛れることはないものである。」

 

 そうすると、

 

「共通の称呼を生じる場合があるとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,観念においても,相紛れることはないものであるから,」

 

 

 引用商標とは非類似とされました。

 

 

 

 今回は、称呼が共通する場合の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念で相紛れることがなければ非類似となる場合があります。

 

 違いをできるだけつくることが真似とは言わせないツボになります。

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