ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5483882号:「Quattron」(指定商品:第9類「液晶テレビジョン受像機,液晶パネル,液晶モジュール」)は、

 

(1)登録第2700161号商標:[QUOTRON」

 

(2)登録第2700162号商標:「QUOTRON 800」の欧文字及びアラビア数字が横書きされた構成

 

(3)登録第2700163号商標:「QUOTRON 1000」の欧文字及びアラビア数字が横書きされた構成

 

(4)国際登録第746364号商標:「Quattro」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2011-011979号)が請求されました。

 

 審判では、本商標が、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として認識されるものである、とした上で、

 

 このような場合には我が国で親しまれた英語の発音に倣って称呼されるというのが相当である。としました。

 

 そうとすると、例えば、「quattrocento」が「クワトロチェント」と発音され、「electron」が「エレクトロン」と発音されることに加え、「qua」の文字つづりについて、例えば、「aqua」が、「アクア」と発音される場合もあることに照らせば、上記文字つづりからなる本願商標は、「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼を生じるのが相当としました。

 

 

 一方、引用商標1〜3は、「QUOTRON」部分が共通しており、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るのは、「QUOTRON」の文字であるといえるところ、該文字は、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として認識されるものであるから、その称呼については、やはり英語の発音に倣うとした上で、

 

 例えば、「quotation」が「クォーテーション」と発音されることに照らせば、いずれも「クォートロン」の称呼を生じるのが相当であるとしました。

 

 また、引用商標4は、例えば、「伊和中辞典 第2版」(株式会社小学館発行)によれば、数字の「4」を意味する語として掲載されているものの、我が国におけるイタリア語の普及の程度に照らせば、看者をして、直ちに該イタリア語を表したものと理解するとはいい難いことから、

 

 上記文字つづりからなる引用商標4は、本願商標における場合と同様に、英語の発音に倣い、その構成文字に相応する「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼を生じるのが相当であるとしました。

 

 こうして、引用商標1〜3との称呼を比較して、

 

 両称呼は、語頭音及び第2音において、前者が「クワ」又は「クア」の音であるのに対し、後者は「クォー」の音という差異があり、その音構成及び発音方法を明らかに異にするものであるから、該差異音がその称呼全体に与える影響は少なくなく、それぞれを一連に称呼した場合には、その語調・語感が異なり、十分に聴別し得るものである、としました。

 

 また、引用商標4の称呼と比較すると、前者が8文字、後者が7文字の欧文字をもって表されているものであって、その構成全体を看取するのに特段の困難を伴うものともいえないことからすれば、両者の比較において存する「n」の文字の有無という差異は、看者をして、容易に認識されるとし、

 

 「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼と「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼とを比較して、まず、「クワトロン」と「クワトロ」の称呼及び「クアトロン」と「クアトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音「ン」の有無という差異があり、

 

 「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼が、該撥音を伴うことにより、その前音「ロ」が強調され、全体として抑揚あるように発音されるのに対し、「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼は、特にいずれかの音にアクセントがあるとはいえず、全体が平坦に発音されることから、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感において、
少なからず差異があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれはないとしました。

 

 また、「クワトロン」と「クアトロ」の称呼及び「クアトロン」と「クワトロ」の称呼との比較においては、いずれも、語尾の撥音「ン」の有無という差異があることに加え、第2音において、「ワ」と「ア」の音の差異があり、後者の音の差異についてみても、その調音の位置や方法を少なからず異にするものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、先にした比較よりも一層、差異があるものとして聴取され、互いに聞き誤るおそれはないとしました。

 

 

 

 今回は、「Quattron」に対して、「QUOTRON」や「Quattro」の類否が問題となりました。

 

 「クワ」又は「クア」の音と「クォー」の音という差異、「クワトロン」又は「クアトロン」の称呼と「クワトロ」又は「クアトロ」の称呼とのアクセントや語尾の「ン」の有無、「ワ」と「ア」の差異、が非類似の方向に働きました。

 

 アクセントも類否判断では大きな要素になります。

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