登録第6112190号:「リアクト」の片仮名と「REACTO」の欧文字を上下2段に書してなる構成、指定商品等:第12類の「自転車並びにその部品及び附属品」の商標は、
国際登録第970151号:「riAct」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-009322)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「上段の「リアクト」の片仮名は、下段の「REACTO」の欧文字部分の読みを表したものと認められることから、本願商標は、「リアクト」の称呼を生じるものである。」
そして、
「「リアクト」及び「REACTO」の文字は、辞書類に載録された成語とは認められないから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。」
そうすると、
「「リアクト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」
一方、引用商標の
「文字は、辞書類に載録された成語とは認められないから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。」
そして、
「欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるものであるから、」
「英語の読みに倣って「リアクト」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じないものである。」
そこで両者を対比すると、外観は、
「「R(r)」、「A」、「C(c)」、「T(t)」の大文字と小文字という共通性を有するものの、全体の文字数が6文字と5文字とで異なり、そのつづりにおいて語頭に続く2文字目が、「E」と「i」とで異なることに加えて、語尾において「O」の文字の有無の差異を有することから、これらの差異は、全体を構成する文字数が6文字と5文字という、さほど多くない文字数においては、別異の語であるとの印象を強く与えるものである。」
また、
「「リアクト」及び「REACTO」の文字は、それぞれ、全て同じ大きさで書してなるのに対して、引用商標を構成する「riAct」の欧文字は、中間の「A」のみを大文字で、それ以外を小文字で書してなり、中間の「A」が大きく目立つ外観上の特徴を備えてなるものであるから、両者は、視覚的な印象が著しく相違し、外観上、判然と区別し得るものである。」
称呼は、
「共に「リアクト」の称呼を生じるものであるから、称呼上、同一である。」
観念は、
「特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較することができないものである。」
そうすると、
「共通の称呼を生じるとしても、外観においては、両者の構成文字及び特徴の有無において目立った差異を有するものであって、その印象が著しく相違し、判然と区別し得るものであるから、その称呼の共通性が外観における差異を凌駕するとはいい難く、また、観念においては、比較することができないものであるから」
非類似であるとされました。
今回は、称呼が同一の商標の類似が問題となりました。
称呼が同一であっても、外観や概念で異なる印象があれば非類似となります。
違いを目立たせることが真似とは言わせないツボになります。
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