ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6090032号:文字の先端を鋭くした特徴ある書体にて,「チャ伊ナバル」の文字を横書きし,構成中の「伊」の文字の前後を「“」及び「”」の引用符を用いて強調し,デザイン化した構成、指定商品等:第43類の「飲食物の提供」の商標は、

 

(1)登録第5376767号:「チャイナバル」

 

(2)登録第5376768号:「chaina baru」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-001726)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は,片仮名と漢字を組み合わせてなる点に特徴を有するものであり,該文字は,辞書等に掲載の無い語であって,本願の指定役務の分野において,特定の意味合いをもって普通に使用されているという事情も見いだせないものである。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字に相応して「チャイナバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 

 一方、引用商標1は、

 

「「チャイナバル」の片仮名を標準文字で表してなるところ,構成中の「チャイナ」の文字は,「中国,中国風。」を意味する語として広く知られている語であり,「バル」の文字は,「スペイン式の飲食店。」(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)を意味する語であって,飲食物の提供の分野においては,近年,飲食店のジャンルを表す語として使用されている(甲1)ことからすると,」

 

「全体として「中国風のスペイン式飲食店」のごとき漠然とした意味合いを想起させる場合もあるというのが相当である。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字に相応して「チャイナバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じるとまではいい難いものの,「中国風のスペイン式飲食店」程の漠然とした意味合いを想起させるものである。」

 

 また、引用商標2は、

 

「「chaina baru」の欧文字を標準文字で表してなるところ,構成中の「chaina」及び「baru」の文字は,辞書等に掲載の無い語であって,引用商標2の指定役務の分野において,特定の意味合いを有する語として知られているという事情も見いだせないものであるから,「chaina baru」の欧文字は,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものとみるのが相当である。」

 

「そして,通常,我が国においては,特定の意味合いを有さない欧文字を称呼するときには,英語読み風又はローマ字読み風に称呼するのが一般的であることからすれば,」

 

「「チャイナバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、まず引用商標1と対比すると、

 

「両者は,外観において,「伊」と「イ」の文字の相違,「“」及び「”」の引用符の有無,及び構成文字の書体の相違において明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。」

 

 次に,称呼においては,

 

「共に「チャイナバル」であるから,称呼上,同一である。」

 

 そして,観念においては,

 

「本願商標は,特定の観念を生じないものである一方,引用商標1は,「中国風のスペイン式飲食店」程の漠然とした意味合いを想起させるものであるから,両商標は,観念上,相紛れるおそれはない。」

 

 そうすると、

 

「「チャイナバル」の称呼を共通にするとしても,外観において顕著に相違し,明確に区別できるものであって,観念においても相紛れるおそれのないものである。」

 

「そして,その称呼の共通性が,顕著に相違する外観の印象を凌駕するものとはいい難いことから,これらを総合して考察すれば,両商標は,役務の出所の誤認混同を生ずるおそれのない,互いに非類似の商標というのが相当である。」

 

 引用商標2との対比では、

 

「両者は,外観において,その構成態様に明らかな差異を有するものであるから,外観上,判然と区別できるものである。」

 

 次に,称呼においては,

 

「共に「チャイナバル」であるから,称呼上,同一である。」

 

 そして,観念においては,

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから,比較することができない。」

 

 そうすると、

 

「「チャイナバル」の称呼を共通にするとしても,観念において比較することができず,外観において明らかな差異を有するものであり,その称呼の共通性が,明らかに相違する外観の印象を凌駕するものとはいい難いことから,これらを総合して考察すれば,両商標は,役務の出所の誤認混同を生ずるおそれのない,互いに非類似の商標というのが相当である。」

 

 とされました。

 

 

 今回は、称呼が同一の商標の類似が問題となりました。

 

 称呼同一であっても外観や観念で違いが大きい場合があります。

 

 称呼や外観、観念のうち二つを大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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