ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6082288号:「Balmy Hanger」の欧文字と「バルミーハンガー」の片仮名とを上下二段に横書きした構成、指定商品:第20類の「衣服用ハンガー」の商標は、

 

(1)登録第5943519号:図形と「BallooMe」とを組み合わせた構成

 

(2)登録第5943520号:「バルーミー」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-018230)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は、

 

「「バルミーハンガー」の片仮名は,「Balmy Hanger」の欧文字の読みを表したものであるから,本願商標からは「バルミーハンガー」との称呼を生じる。」

 

 また、

 

「「Hanger」及び「ハンガー」の文字部分は,本願商標の指定商品である「衣服ハンガー」それ自体を指称する語であるから,同部分から出所識別標識としての称呼,観念は生じないと認められる。」

 

 一方、

 

「「Balmy」及び「バルミー」の文字部分は,辞書等には記載が見当たらないことから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。」

 

 そうすると、

 

「取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分は,「Balmy」ないし「バルミー」の文字部分であるということができ,これらを要部として抽出し,引用商標と比較して商標の類否を判断することも許される。」

 

 したがって、

 

「構成全体から生じる「バルミーハンガー」の称呼のほかに,要部である「Balmy」ないし「バルミー」の文字部分に相応した「バルミー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1は、

 

「外観上,図形部分と文字部分とは明確に分離していること,また,図形部分からは,特定の称呼及び観念が生じるものとは認められないから,同図形部分は,文字部分である「BallooMe」の欧文字とは,観念的に密接な関連性を有しているとはいえず,一連一体の称呼が生じるともいえないことからすると,図形部分と文字部分とは,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできない。」

 

「「BallooMe」の欧文字部分は,辞書等には記載が見当たらないことから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。」

 

 よって、

 

「図形部分と文字部分は,それぞれが独立して出所識別標識としての機能を果たす要部であるといえる。」

 

 したがって、

 

「「バルーミー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。」

 

 また、引用商標2は、

 

「これより「バルーミー」の称呼を生じるが,辞書等には記載が見当たらない語であることから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであって,特定の観念は生じない。」

 

 

 そこで、「Balmy」の文字部分と「BallooMe」の文字部分とを対比すると、

 

「両者は,語頭部分において「Bal」の文字を共通にするとしても,語尾の「my」の文字と「looMe」の文字という明らかな差異を有することからすれば,外観上,容易に区別し得るものといえる。」

 

 また、「バルミー」の文字部分と,「バルーミー」とを対比すると、

 

「両者は,「バ」,「ル」及び「ミ」の文字並びに語尾における長音記号を共通にするとしても,比較的短い文字構成で第3文字目において長音記号の有無という明らかな差異を有することからすれば,外観上,容易に区別し得るものといえる。」

 

「その他,本願商標の要部である「バルミー」の文字部分と引用商標1の要部である「BallooMe」の文字部分及び本願商標の要部である「Balmy」の文字部分と引用商標2とは,構成文字及び文字種の相違により,外観上,明らかに相違する。」

 

 次に称呼を比較すると

 

「両者は,第2音における「ル」の後の長音の有無に差異を有し,他の4音を共通にする。」

 

 しかし、

 

「本願商標の称呼は,4音構成であって,各音が平坦に発音されるのに対し,引用商標の称呼は,5音構成であって,長音の前に位置する「ル」の母音[u]が強調されるように発音されるものであるから,比較的短い音構成である両称呼において,上記の差異が称呼全体の語調,語感に与える影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを称呼するときは,互いに聴き誤るおそれはないというべきである。」

 

 そして、観念については、

 

「本願商標の要部と引用商標1の文字部分及び引用商標2とは,それぞれ特定の観念を生じるとはいえないから,観念上,比較することはできない。」

 

 よって、

 

「観念において比較し得ないとしても,外観及び称呼において異なるものであるから,」

 

 両者は相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が近い商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が近くても、短い場合には一つの違いが大きく影響します。

 

 一文字でも違いを作ることが真似とは言わせないツボになります。

「Balmy Hanger」はこうして商標登録された関連ページ

メディキノコはこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「バケッ塔」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ハウスブレーン」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「XDSKIN」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロシャワー 」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ドクターフィッシュカフェ」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「Veeco」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「jna」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「IGUIDE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「オルガノサイエンス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「LASEE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロテアス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。