ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6077937号:左側に大きく「(株)PGA」の文字を表してなり、「PGA」の文字部分は、「P」の文字が赤色で表され、「P」、「G」及び「A」の各文字が、デザイン化された文字でモノグラム状に組み合わされており、右側には、上から三段に分けて、それぞれの語頭の文字を赤色で表した「PERFECT」、「GEAR」及び「AGENCY」の欧文字を配した構成、指定商品:第35類の各役務の商標は、

 

 登録第5907263号:「PGA」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-018499)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成中の左側の「(株)PGA」の文字部分と右側の「PERFECT」、「GEAR」及び「AGENCY」の文字部分とは、視覚上、明確に分離して看取されるものであり、」

 

「「(株)PGA」の文字部分は、その構成中「(株)」の文字が「株主が組織する有限責任会社」である「株式会社」の略称と認められ、法人の組織形態を表したものにすぎないことから、「(株)」の文字は、自他役務の識別標識としては機能しないものであって、出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものである。」

 

 また、

 

「「PGA」が、「プロゴルフ協会」等の意味を有する略語であるとしても、本願の指定役務との関係からすれば、特定の意味合いを有する語として知られているとは認められないものであるから、本願商標は、図形的要素を有する一種の造語として看取され、特定の観念を生じないものである。」

 

 さらに、

 

「「PERFECT」、「GEAR」及び「AGENCY」の文字部分は、それぞれ、「完全な」、「道具」、「取扱店」等の意味を有する英語であるとしても、全体としては、特定の意味合い看取させるものではなく、特定の観念を生じないものである。」

 

 以上のことからすれば、

 

「その全体が常に一体不可分のものとして認識されるとはいえず、構成中の「PGA」の文字部分が、デザイン化された文字で組み合わされた態様で表されており、」

 

「構成の中心に大きく表されていることから、該文字部分が、需要者に対して強く支配的な印象を与える要部といえるものである。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字全体から「ピージーエーパーフェクトギアエージェンシー」の称呼を生じるほか、その構成中の「PGA」の文字部分に相応して「ピージーエー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「「プロゴルフ協会」等の意味を有する略語であるとしても、引用商標の指定商品との関係からすれば、特定の意味合いを有する語として知られているとは認められないものであるから、一種の造語と認められ、特定の観念を生じないものである。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字に相応して「ピージーエー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 

 そこで両者を対比すると、

 

「その全体の構成態様において相違し、本願商標の要部である「PGA」の文字部分と引用商標の比較においても、両者の文字の構成態様が大きく相違することから、その印象が異なり、顕著な差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。」

 

 称呼は、

 

「両商標は、「ピージーエー」の称呼を共通にするものである。」

 

 観念は、ともに

 

「特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。」

 

 として、

 

「称呼において相紛れるおそれがあるとしても、観念において比較することができず、外観において明確に区別できるものであり、その外観における相違が顕著であることから、称呼の共通性が外観における差異を凌駕するものとはいい難く、」

 

 両者は相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していてもその他、特に外観が大きく相違する場合には非類似になる場合があります。

 

 大きな違いを少しでも作ることが真似とは言わせないツボになります。

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