ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6058641号:図形と,「Zerbino」の欧文字と当該欧文字よりやや小さい書体で「maurizi」の欧文字が表されてなる構成、指定商品:第25類の「履物」の商標は、

 

 登録第5059789号:「ZERBINO」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-018634号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標を構成する文字の

 

「両欧文字間にはわずかな間隙しかなく,しかも,両欧文字は下部をそろえて,横一連に並べて配してなるものであるから,視覚上まとまりよく一体的に表されたものと認識,把握されるものといえる。」

 

 そして,

 

「欧文字部分からは,「ゼルビーノマウリッチ」の称呼が生じるところ,これ自体も無理なく一連に称呼し得るものであり,また,「Zerbino」及び「maurizi」の各欧文字は,それぞれ,我が国において馴染みの無い語であって,特定の意味合いを直ちに想起させるものではないから,観念上も軽重の差があるとは
いえない。」

 

 そうすると、

 

「欧文字部分は,両文字の大きさに多少の相違はあるものの,それらを一体のものとして認識,把握されるとみるのが相当であるから,構成文字全体に相応して,「ゼルビーノマウリッチ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものといえる。」

 

 なお,

 

「図形部分からは,特定の称呼及び観念が生じるものとは認められない。」

 

 一方、引用商標は

 

「欧文字に相応して「ゼルビーノ」の称呼を生じ,また,当該欧文字は馴染みの無い語であって,特定の意味合いを直ちに想起させるものではないから,特定の観念を生じない。」

 

 そこでこれらを対比すると、

 

「「maurizi」の欧文字の有無により明らかに相違するから,外観上,互いに紛れるおそれはない。」

 

 また、

 

「本願商標の欧文字部分から生じる「ゼルビーノマウリッチ」の称呼は,引用商標から生じる「ゼルビーノ」の称呼とは,後半における「マウリッチ」の音の有無により明らかに相違するから,称呼上,明確に聴別し得るものである。」

 

「さらに,本願商標の欧文字部分と引用商標は,それぞれ特定の観念を生じるとはいえないから,観念上,比較することはできない。」

 

 として、相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても、全体で一連に称呼できる構成であれば、共通部分を独立して認識することはないといえます。

 

 一連で称呼可能な長さで一体感を出すことが真似とは言わせないツボになります。

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