ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6058533号:「アレイ」、指定商品:第11類の「LEDを使用した自動車用ヘッドライト及びヘッドランプ」の商標は、

 

 国際登録第1026648号:

 

 アルファベットの「K」をモチーフとした図形(以下「K図形」という。)内に、「array」の欧文字を配置した構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-016107号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、直ちに特定の意味合いを理解させるものではないから、一種の造語として看取されるとみるのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「アレイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「K図形及び文字部分に相応して、「ケーアレイ」又は「アレイケー」の称呼を生じるものである。」

 

 また、

 

「構成中の「array」の欧文字は、全体を灰色で塗りつぶしたK図形を背景にして、白抜きで明確に表されていることからすれば、該文字部分も、引用商標の要部として理解されるものである。」

 

 そして、

 

「「array」の欧文字は、「整列、配列」等を意味する英語として、辞書等に掲載されている語である。」

 

 そうすると、

 

「その構成全体から「ケーアレイ」又は「アレイケー」の称呼を生じるほか、「array」の文字部分から「アレイ」の称呼及び「整列、配列」の観念を生じ得るものである。」

 

 そこで両者を対比すると、

 

「図形要素の有無や、文字の種類及び態様において明らかな差異を有することからすれば、外観上、判然と区別し得るものといえる。」

 

 また、

 

「両者は、「アレイ」の称呼を共通にする場合があるものである。」

 

 そして、

 

「両者は、観念上比較することができないものである。」

 

 として、

 

「「アレイ」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観においては、両者には顕著な差異があって、判然と区別し得るものであるから、その称呼の共通性が外観における印象を凌駕するとはいい難く、また、観念において比較することができないものであって、外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、」

 

 両者は非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念が相違していれば非類似になることもあります。

 

 称呼以外を大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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