ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6056207号:「オールグリップ」、指定商品:第1類の各商品の商標は、

 

 登録第4790753号:「AWLGRIP」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-015735号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「つづりから「オール」の語と「グリップ」の語とを組み合わせたものと看取、把握されるといえるところ、その構成中の「オール」の語は、「全部。すべて(の)」の意味を有するものとして、「グリップ」の語は、「握る」の意味を有するものとして、いずれも一般に慣れ親しまれたものであるから、その構成全体をもって「すべて握る」といった意味合いを想起させるものである。」

 

 そうすると、

 

「「オールグリップ」の称呼を生じ、「すべて握る」といった観念を生じるものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「文字は、一般的な辞書に掲載がなく、また、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、これを称呼する場合には、我が国において親しまれた英語の発音に倣って称呼されるとみるのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「オールグリップ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで両者を対比すると、

 

「その構成文字種を異にするものであるから、外観から受ける視覚的印象が著しく相違し、外観上、相紛れるおそれのないこと明らかである。」

 

 また、

 

「本願商標は、「すべて握る」といった観念を生じるものであるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。」

 

 として、

 

「称呼において共通するものの、外観において著しく相違し、観念においても相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、」

 

 両者は非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念が相違していれば非類似になることもあります。

 

 称呼以外を大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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