ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6038567号:聴診器を持ち赤いネクタイをして白衣を着た、頭の先がとがり、目の大きい幼児風の顔をやや斜めにした人形の図形と、だいだい色
の家のイラストの図形を並べ、該家のイラストの図形の内側には、上部に白抜きの十字を配し、下部に「ドクトル」及び「外壁さん」の白抜きの文字を上下二段に書し、さらに、「外壁さん」の文字の「さ」の文字につながるように白抜きの直線と内部に黒色のくさび形を組み合わせた図形を配した円形状の輪郭図形を表した構成、指定役務:第35,37類の各役務の商標は、

 

 登録第3176389号商標等の「キューピー」、「キューピー人形」のものと類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-009505号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「人形の図形は、その顔や頭の特長及び服装などから、「医者の姿をしたキューピー」であると容易に理解できるもの(以下、該図形を「キューピー図形」という。)であって、キューピー図形と家のイラストの図形とは、結合しておらず、かつ、キューピー図形は、立体的に表されているのに対し、」

 

「家のイラストの図形は、平面的に表されていることから、両者は、視覚的に分離して看取されるものであり、また、これらを常に一体のものと把握しなければならない特段の事情も見いだせないことからすれば、それぞれが独立して自他役務の識別機能を果たし得るものというべきである。」

 

 そして、

 

「キューピー図形は、上記のとおり、「医者の姿をしたキューピー」であると容易に理解できることから、「医者の姿をしたキューピー」の観念を生じるものの、我が国において特定の称呼をもって認識されているというべき事情は認められないことからすれば、これより、特定の称呼を生じないものである。」

 

 さらに、

 

「家のイラストの図形及び該図形の内側に表された各図形は、我が国において特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められず、また、家のイラストの図形の内側に書された「ドクトル」及び「外壁さん」の文字は、まとまりよく一体的に表されているものであるところ、構成文字全体としては、辞書等に載録のないものである。」

 

 そうすると、

 

「家のイラストの図形部分からは、その構成中の「ドクトル」及び「外壁さん」の文字に相応して「ドクトルガイヘキサン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 してみれば、

 

「その構成中のキューピー図形部分からは、「医者の姿をしたキューピー」の観念を生じ、家のイラストの図形部分からは、「ドクトルガイヘキサン」の称呼を生じるものであるから、」

 

「全体としては、「ドクトルガイヘキサン」の称呼を生じ、「医者の姿をしたキューピー」の観念を生じるものである。」

 

 として、「キューピー」の称呼及び「キューピー」又は「キューピー人形」の観念を生じないから、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 今回は、キューピー人形が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 共通するといっても、こちらは医者の姿をしているものであり、別々の観念が生じます。

 

 異なるものと認識させることが真似とは言わせないツボになります。

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