登録第6032794号:ぶどうの房を有するつるが添え木に巻き付いたと思しき図形からなり、その構成中のつるに沿うように小さく「SHION」の文字を配してなる構成、指定役務:第33類の各商標の商標は、
登録第4131736号商標:
「紫苑」の文字と「シオン」の文字を上下二段に横書きしてなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-015731号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「文字は、辞書等に載録された既成の語ではなく、かつ、特定の意味合いを有する語として一般に知られたものとはいえないものであるから、その構成文字に相応して「シオン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」
一方、引用商標の
「「紫苑」の文字は、「キク科の多年草」(広辞苑第六版)の意味を有する語であり、また、下段に書された「シオン」の文字は、上段の「紫苑」の文字部分の読みを特定したものとみるのが自然であるから、その構成文字に相応して「シオン」の称呼を生じ、「(キク科の多年草の)シオン」の観念を生じるものである。 」
そこで、両者を対比すると、
「全体の構成において明らかな差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。」
つぎに、称呼においては、
「「シオン」の称呼を同一にするものである。」
観念については、
「本願商標は、特定の観念を有しないものであり、引用商標からは「(キク科の多年草の)シオン」の観念を生じることから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。」
として、
「「シオン」の称呼を同一にするとしても、外観において明確に区別でき、観念においても相紛れるおそれはないものであって、ほかに、本願商標と引用商標との間で商品の出所の混同を生じるおそれがあるとみるべき特段の事情も見いだし得ないことから」
両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。
今回は、商標の一部の称呼が共通する商標の類似が問題となりました。
称呼が共通していても全体として区別できる場合には両者は非類似とされます。
少しでも異なるようにすることが、真似とは言わせないツボになります。
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