ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5975767号:「LUFT」、指定商品・役務:第3類の「ヘアワックス」の商標は、

 

 登録第2631020号商標:「RAFT」の欧文字と「ラフト」の片仮名とを上下二段に書してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-008460号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「「LUFT」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「空気」等の意味を有するドイツ語であるものの、我が国において一般に親しまれた語とはいえない語であるから、特定の観念を生じない一種の造語とみるのが相当である。」

 

「そして、特定の意味合いを有しない造語については、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるのが自然である。」

 

 そうすると、

 

「「LU」の部分は、「ドイツ・ベルギー・フランスに囲まれた立憲公国」である「Luxemburg」が「ルクセンブルク」と発音され、「照度の単位」である「lux」が「ルクス」と発音され、「擬餌鉤(ぎじばり)」である「lure」が「ルアー」と発音されることから、該部分は、「ル」と発音され、また、「FT」の部分は、「贈り物」を意味する英語「gift」が「ギフト」と発音され、「左」を意味する英語「left」が「レフト」と発音される(いずれも「広辞苑 第六版」(岩波書店発行))ことから、該部分は、「フト」と発音されるというのが相当である。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字に相応して、「ルフト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「その構成中、下段の「ラフト」の文字は、上段の「RAFT」の文字の読みを特定するものと容易に理解されるものであり、また、上段の「RAFT」の欧文字は、「いかだ」等の意味を有する英語であるものの、我が国において一般に親しまれた語とはいえない語であることから、全体として特定の観念を生じない一種の造語とみるのが相当である。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字に相応して、「ラフト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、両者を対比すると、外観については、

 

「本願商標が欧文字のみからなるのに対し、引用商標は欧文字と片仮名との二段書きからなることに加え、欧文字部分の対比においては、「FT」の部分は共通するものの「LU」と「RA」の部分に差異を有するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 次に、称呼において、

 

「本願商標から生じる「ルフト」の称呼と引用商標から生じる「ラフト」の称呼とを比較すると、両称呼は、明瞭に発音され、かつ、聴別され得る語頭音において、「ル」と「ラ」の音の差異があり、いずれも3音という短い音数から構成される両称呼に対し、該差異音が与える影響は小さいものとはいえず、それぞれを称呼した場合、全体の語調、語感が相違し、互いに聴別し得るとみるのが相当である。」

 

 また、観念において、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。」

 

 よって、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、称呼が共通すると思われる商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が共通すると思われてもよくよく分析してみると明確な違いが見えてくることもあります。

 

 どのように発音するのか、しっかり分析することが真似とは言わせないツボになります。

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