ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5954965号:上部に,黒塗りの正方形に重なるように「KENKO」(「O」には長音を示す横線が上部に配されている。)及び「FOODS」の文字を上下二段に表してなり,その下部に,十字で区切った正方形の枠内に「日本」及び「酵素」の文字を上下二段に表してなる構成、指定商品・役務:第5類の各商品の商標は、

 

 登録第5807228号商標:「新日本酵素」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-002016号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成中,上部と下部は,それぞれ異なる正方形上にまとまり良く文字を表し,かつ,文字種,書体,文字の大きさを異にするから,両者は,間隔を空けていることもあいまって,視覚上分離して認識されるものである。」

 

「そして,上部の「KENKO」及び「FOODS」の文字部分,並びに下部の「日本」及び「酵素」の文字部分は,それぞれ全体として特定の観念を想起させるものでもないため,相互に観念上のつながりを持たず,それぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。」

 

「さらに,下部の文字部分は,十字で区切った正方形の枠内にまとまりよく「日本酵素」の漢字4文字が配置され,本願商標の構成の中でも特に大きく太字で目立つように表されており,需要者,取引者に対し,一見して強い印象を与えるものであるため,独立して商品の出所識別標識として機能し得るものと認められる。」

 

 そうすると,

 

「その構成中の下部を要部として抽出し,これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものといえる。したがって,本願商標は,その下部の構成文字に相応して,「ニホンコウソ」又は「ニッポンコウソ」の称呼をも生じ,特定の観念を生じるものではない。」

 

 

 一方、引用商標は、

 

「漢字5文字を,同書体,同大で,間隔なく連結してなるため,全体としてまとまりのよい構成よりなるものである。」

 

「その構成中,語頭の「新」の文字部分は,「あたらしいこと」を意味する語であり(「広辞苑 第六版」岩波書店),語頭に配することで新しい製品であることを表示するために用いられることがあり得るとしても,」

 

「「新」,「日本」及び「酵素」の各語を順に組み合わせたものと容易に理解できる引用商標の文字構成において,その指定商品との関係から見て,各語は単独では識別力を欠くものであって,殊更,「日本酵素」の文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え,かつ,「新」の文字部分のみが出所識別標識としての称呼,観念が生じないとみるべき理由はないから,」

 

「かかる構成においては,需要者,取引者をして,商標全体としてまとまりよく一連一体の商標を表してなるものと認識されるというのが相当である。」

 

 そうすると,

 

「その構成文字に相応して「シンニホンコウソ」又は「シンニッポンコウソ」の称呼を生じ,特定の観念を生じるものではない。」

 

 そこで、両者を対比すると、称呼については、

 

「本願商標の要部から生じる「ニホンコウソ」又は「ニッポンコウソ」の称呼は,引用商標から生じる「シンニホンコウソ」又は「シンニッポンコウソ」の称呼とは,音数や音構成の差異から明らかに聞き分けることができるものである。」

 

 次に、観念において、

 

「それぞれ特定の意味合いを有する語ではないため,比較することはできない。」

 

 また、外観において、

 

「それぞれの「日本酵素」という一部構成文字を共通にするものの,全体の文字の構成や配置の相違から全体としては異なる印象を与えるものである。」

 

 よって、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても全体で異なるものであれば非類似となることもあります。

 

 異なる要素を組み入れることが真似とは言わせないツボになります。

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