ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5916686号:全体を緑色で表した構成からなるところ、その構成は、ややデザイン化された「sopra」の欧文字と、該文字の両端から、文字の下部を通る楕円で作られた円弧及び「p」の文字の上部に下向き半楕円の上部をV字状に切り取った図形を、まとまりよく配置してなる構成、指定商品・役務:第37類の各役務の商標は、

 

 登録第4987934号:上部にやや小さく「Reanju」(「j」の文字は上部の点が楕円図形で表されている。以下「j」と記載する。)の欧文字を、中程に大きく、ややデザイン化された「Sopra」の欧文字を、該文字の右下の下部に近接して小さく、角括弧付きの「レアンジュ ソプラ」の片仮名を表してなり、かつ、その構成中の「S」の文字と「j」の文字の上部の楕円図形を薄い青緑色で、その他の部分を濃い青緑色で表した構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-014456号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「sopra」の文字は、「・・・の上に、上を、上で」等の意味を有するイタリア語(「伊和中辞典第二版」小学館発行)であるが、我が国において親しまれた語とはいえず、これに接する需要者は、該文字部分について、特定の意味合いを生じない一種の造語として認識するというのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成中の「sopra」の文字に相応して、「ソプラ」の称呼を生じるものであり、また、その構成全体からは、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「「Sopra」の文字の語頭の「S」の文字と「Reanju」の文字中の「j」の文字の上部の楕円図形が、ともに薄い青緑色で表されていることと相まって、「Reanju」の文字と「Sopra」の文字とは、一体的に表されたものとして看者に把握されるとみるのが自然である。」

 

「また、下部に小さく表された「レアンジュ ソプラ」の片仮名は、上記した「Reanju Sopra」の欧文字部分の読みを特定しているものと無理なく理解させるものであって、該欧文字部分から生ずる「レアンジュソプラ」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものであり、さらに、その欧文字部分及び片仮名部分は、それぞれ特定の意味合いを認識させることのない一種の造語といえるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「レアンジュソプラ」の称呼のみを生じるものであり、また、特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、両者を対比すると、外観は、

 

「その全体の構成において、顕著な差異を有するものであるから、両者は、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標からは、「ソプラ」の称呼を生じるものであり、引用商標からは、「レアンジュソプラ」の称呼を生じるところ、その構成音、音数などが明らかに相違するものであるから、両者は、称呼上、明確に聴別できるものである。」

 

 観念は、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較することができず、相紛れるおそれがあるとはいえない。」

 

 

 として、両商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 商標の一部が共通していても、全体として一体の構成であれば、分離できません。

 

 一部が共通していても全体で一体感を出すことが真似とは言わせないツボになります。

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