ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5911833号:「yUKI」の欧文字を図案化してなる構成、指定商品・役務:第7,9,12類の各商品及び第42類の各役務の商標は、

 

 登録第4864795号:「雪」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-012393号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、辞書類に載録された既成の語ではないことから、本願商標からは、直ちに特定の観念を生ずるとはいい難いものであり、また、その構成文字に相応して、「ユキ」の称呼を生ずるものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「その構成文字に相応して、「ユキ」の称呼及び「雪」の観念を生ずるものである。」

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「「ユキ」の称呼を共通にするものである。」

 

 外観は、

 

「欧文字と漢字、図案化の有無において顕著な差異を有することからすれば、外観上、判然と区別し得るものである。」

 

 観念は、

 

「本願商標は、直ちに特定の観念を生ずるとはいい難いものであるのに対し、引用商標は、「雪」の観念を生ずるものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれのないものである。」

 

 そうすると、

 

「称呼を共通にするとしても、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものである」

 

 として、称呼、外観及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念が大きく異なる場合には、非類似とされるケースが増えてきました。

 

 共通要素が一つあってもその他の要素を大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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