ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5907767号:上段に「UNIVERSAL」の文字を赤色の肉太で大きく表し,下段に「ENTERTAINMENT」の文字を黒色の細字で小さく表し,かつ,下段の文字部分の左右に長短の二重線よりなる黒色の図形を線対称に配してなる構成、指定商品・役務:第14,24,25類の各商品及び第42,
44,45類の各役務の商標は、

 

 登録第1461153号:「UNIVERSAL」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-011518号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「上段と下段の各文字部分につき,その大きさや色が異なることから,上段の文字部分の方がより目立つとしても,上段部と下段部とは,線対称の図形を配することで両端を互いにそろえ,かつ,極めて近接して配されていることから,外観上まとまりよく一体的に看取されるものである。」

 

 また,観念は、

 

「「UNIVERSAL」の語は「全世界の,普遍的な」,「ENTERTAINMENT」の語は「娯楽」の意味を有する英語(「ジーニアス英和大辞典」大修館書店)として広く親しまれているから,上記した外観上の一体性ともあいまって全体として「全世界の娯楽,普遍的な娯楽」といった観念が生じる。なお,線対称の図形部分からは,特定の観念を生じない。」

 

 さらに称呼は、

 

「構成全体から生ずる「ユニバーサルエンターテインメント」の称呼も,よどみなく一連に称呼できるものである。」

 

 そうすると、

 

「これに接する取引者,需要者が「UNIVERSAL」の文字部分を分離,抽出し,当該文字部分から生じる称呼及び観念のみをもって取引に資するというよりは,その構成全体をもって一体不可分のものと認識し,把握した上で取引に資するとみるのが相当であり,他に「UNIVERSAL」の文字部分のみが独立して把握されるとみるべき特段の事情も見いだせない。」

 

 として、構成中「UNIVERSAL」の文字部分を分離,抽出し,その上で「ユニバーサル」の称呼及び「普遍的。全般的。」の観念を生じるようなことはない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、一部の構成が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 一部の構成が共通していても、商標全体が一体の構成であれば、全体としては非類似になります。

 

 一体性を持たせることが真似とは言わせないツボになります。

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