ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5899284号:「SAT」、指定商品・役務:第9類の各商品の商標は、

 

 登録第5329643号:

 

 地球様の図にJ字状の白抜き(以下「J字状の白抜き」という。)を有する図形(以下「地球様の図形」という。)と、その右部に「SAT」の欧文字を、共に青色を基調として上部から下部にかけて色調を濃くするグラデーションで表し、該欧文字部分の「S」の文字の下部に欧文字に比して小さく、黒字で「ジェイサット」の片仮名を、該「S」の文字の上部に青色を基調とした人工衛星とおぼしき図形部分を配してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-009860号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の文字からは、

 

「「エスエイティー」及び「サット」の称呼が生じるものである。 また、「SAT」の語は、特定の意味を有する語を表したものとして一般に知られているとは認められないものであり、本願商標は特定の観念が生じるとはいえない。」

 

 

 一方、引用商標は、

 

「構成要素は近接してまとまりよく配され、一体的な印象を与えるものである。」

 

 そして、

 

「地球様の図形におけるJ字状の白抜き部分と「SAT」の欧文字部分とは、色彩が異なるものの、J字状の白抜き部分から容易に看取される「J」の欧文字と「SAT」の欧文字のデザインは同じものであって、横一列にほぼ等間隔に配されていること、J字状の白抜き部分の背景となる地球様の図形と「SAT」の欧文字が同じ色調、グラデーションで統一されていること、かつ、該「S」の文字の下部に配された「ジェイサット」の片仮名部分は、J字状の白抜き部分から容易に看取される「J」の欧文字と「SAT」の欧文字部分とが結合した「JSAT」(以下「結合JSAT」という。)の欧文字の読みを表したものであると無理なく理解、認識されるものであるから、該文字部分より「ジェイサット」の称呼を生じるものといえる。」

 

 また、

 

「結合JSAT及びその読みを表した片仮名部分から生じる「ジェイサット」の称呼は、5音と比較的短い音構成からなり、かつ、よどみなく一連に称呼し得るものである。」

 

 そうすると、

 

「これに接する取引者、需要者が「SAT」の欧文字部分に着目し、当該文字部分から生じる称呼のみをもって取引に資するというよりは、引用商標の構成全体あるいは結合JSATの部分を一体不可分のものと認識し、把握するとみるのが相当であるから、引用商標からは「ジェイサット」の称呼のみが生じるというのが相当である。」

 

 また、観念については、

 

「「JSAT」の語は、辞書等に掲載されている語ではないから、特定の意味合いを有しない一種の造語であると認められ、引用商標からは特定の観念は生じないものである。」

 

 そこで、これらを対比すると、

 

「図形の有無などその構成上明らかな差異があるから、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 次に、

 

「本願商標から生じる、「エスエイティー」及び「サット」の称呼と、引用商標から生じる「ジェイサット」の称呼とは、その音数及び音構成が明らかに相違するものであるから、両称呼は、それぞれを一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれはない。」

 

 観念は、

 

「比較することができず、類似するとはいえないものである。」

 

 よって、

 

「外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標」

 

 とされました。

 

 

 今回は、一部が共通する商標の類似性が問題となりました。

 

 一部が共通していても、分離できない商標であれば非類似となります。

 

 一体感の有無が真似とは言わせないツボになります。

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