ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5895183号:「藍」の漢字を顕著に大きく、薄い影を付けて表し、その右側下部に小さく「−(ハイフン記号)」で挟んだ「ai series」の欧文字を横書きし(「ai」の文字は「series」の文字よりやや大きく表されている。以下、「欧文字等部分」という。)、全体を青色で表した構成、指定商品・役務:第6,19類の各商品の商標は、

 

 登録第5552276号:「ISERIES」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-011153号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「「藍」の漢字は、「タデ科の一年草。」等(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であるところ、本願商標中の「ai」の文字は、該漢字の読みを特定したものと無理なく理解できるものである。」

 

 また、

 

「漢字部分は、影を付け、顕著に大きく表されていることから、看者に対して強く支配的な印象を与える。」

 

 それに対し、

 

「欧文字等部分は、漢字部分と比較して小さく表されていること及び「ai」の文字が漢字部分の読みを欧文字表記のしたものであり、「series」の文字は、「連続性を持つ一連のもの。」(同辞書中の「シリーズ【series】」の項)を意味し、商品を取り扱う分野において、「連続性を持つ一連の商品(シリーズ商品)」であることを表すものとして使用されている語であることから、欧文字等部分は自他商品識別標識としての機能が弱いものである。」

 

 してみれば、

 

「看者に対して強く支配的な印象を与える漢字部分に相応して「アイ」の称呼及び「植物の藍」の観念を生じ、また、欧文字等部分に相応して「アイシリーズ」の称呼を生じ、該部分からは、特定の観念を生じないというのが相当である。」

 

 一方、引用商標の文字は、

 

「辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語と認められるものであり、このような欧文字からなる造語の場合、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、引用商標からは、「イセリーズ」及び「アイシリーズ」の称呼が生ずるというのが相当である。」

 

 そこで、引用商標と対比すると、

 

「両者の外観は明らかに相違するものであり、両者は、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 次に、称呼は、

 

「本願商標から生ずる「アイ」及び「アイシリーズ」の称呼と、引用商標から生ずる「イセリーズ」及び「アイシリーズ」の各称呼とを比較すると、両称呼は、「アイシリーズ」の称呼を共通にする場合があるが、その他の称呼については、その音数及び音構成において明らかな差異を有するものである。」

 

 また、観念については、

 

「本願商標は「植物の藍」の観念を生ずるのに対し、引用商標は特定の観念を生ずるものではない。よって、両商標は、観念上、比較することができないものであるから、相紛れるおそれはない。」

 

 よって、

 

「称呼を共通にする場合があるとしても、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、その称呼、外観及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標である。」

 

 とされました。

 

 

 今回は、称呼が共通する場合の類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念で大きく異なる場合には非類似となることもあります。

 

 共通にせざるを得ないところが出てきてもそれ以外を大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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