ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5338117号:青色で書された「S」、「M」及び「F」の各文字と「F」の文字の右側に青色に塗られた縦長の平行四辺形内に白抜きに表された「L」の文字を表した構成

 

の商標は、

 

 

1.登録第4775372号商標:「itSMF」
2.登録第4991466号商標:「SMF」

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2009-006708号)が請求されました。

 

 審判では、本商標の文字部分に着目し、右側の「L」の文字の色が「S」、「M」及び「F」の各文字の色と異なるとしても、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で外観上まとまりよく一体に表現されており、また、構成文字全体から生ずる「エスエムエフエル」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである、としました。

 

 そして、その構成中の「L」の文字部分が白抜きにされ、平行四辺形と一体的に形成された図形として認識される場合があるとしても、指定役務との関係にあっては、かかる構成にあって、「SMF」の文字部分が殊に強く印象され、あるいは記憶されて、この文字部分のみに相応した称呼や観念をもって取引に資されるものという特段の事情もないことから、構成全体をもって一体不可分のものと認識し、把握し、取引に当たるものとみるのが自然である、となりました。

 

 であれば、その構成文字全体に相応して、「エスエムエフエル」の称呼のみを生ずることになります。

 

 

 今回のように、文字の一部の背景が他の文字部分とは異なる場合、その文字部分とそれ以外の文字部分との間で分断されて認識されることがあるのかどうか、が問題となります。

 

 このような場合でも、文字の構成に一体感があれば、全体からの称呼のみが生じるというのが今回の結論でした。

 

 一体感をいかに出すか、が真似と言わせないためのツボになります。

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