ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5883392号:「deluxee’m」、指定商品・役務:第14,18,25,35類の各商品・役務の商標は、

 

(1)登録第4311388号:

 

 「デラクシー」の片仮名と「DELUXEE」の欧文字を上下二段に書してなる構成

 

(2)登録第4566789号:

 

 「デラクシィ」の片仮名と「DELUXY」の欧文字を上下二段に書してなる構成

 

(3)登録第5190516号:

 

 「デラクシィ」の片仮名と「DELUXY」の欧文字を上下二段に書してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-005206号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の文字は

 

「辞書類に記載がなく、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものである。」

 

「そして、このように既成の語ではない、欧文字のつづりからなる商標は、我が国において広く親しまれている英語の発音に倣って称呼するのが自然といえるところ、」

 

「その構成中の「deluxe」の文字部分は、英語の「deluxe」と同じ綴りであるから「デラックス」と発音し、また、「ee’m」の文字及びアポストロフィの部分は、英語の「seem」を「シーム」、「deem」を「ディーム」、「I’m」を「アイム」とそれぞれ発音することから、これらに倣えば、本願商標全体として、「デラクシーム」の称呼を生ずるものというのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「「デラクシーム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1の文字は、

 

「辞書類に記載がなく、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものであり、また、片仮名部分は欧文字の読みを特定したものと無理なく認識されるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「デラクシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 引用商標2,3の文字は、

 

「辞書類に記載がなく、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものであり、また、片仮名部分は欧文字の読みを特定したものと無理なく認識されるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「デラクシィ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで引用商標1と外観について対比すると、

 

「両商標は、「deluxee(DELUXEE)」の綴りを共通にするものであるが、本願商標にはそれに続く「’m」の文字部分が付加されており、」

 

「それぞれの文字数や小文字と大文字による相違、片仮名の有無などの構成が明らかに相違するものであるから、両者は、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 引用商標2,3と外観について対比すると、

 

「両商標は、「delux(DELUX)」の綴りを共通にするものであるが、それに続く「ee’m」と「Y」の文字に差異を有するものであって、それぞれの文字数や小文字と大文字による相違、片仮名の有無などの構成が明らかに相違するものであるから、」

 

「外観上、明確に区別できるものである。」

 

 称呼については、この商標からは

 

「「デラクシーム」の称呼を生じ、引用商標からは「デラクシー」又は「デラクシィ」の称呼を生ずるものであって、両称呼は、語頭からの「デラク」の音を共通にするものであるが、」

 

「それに続く「シーム」と「シー」及び「シィ」の音に差異を有するものである。そして、該「シーム」の音は比較的はっきりと「ム」の音が発音されるのに対し、「シー」と「シィ」の音は、「シ」の音が伸びて発音されるものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり、称呼上、明瞭に聴別できるものである。」

 

 外観は、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者を比較することができないものである。」

 

 してみてば、

 

「観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相違するものであるから、これらを総合的に勘案すれば、取引者、需要者に与える印象、記憶が異なり、両商標を同一又は類似の商品及び役務に使用した場合においても、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれのない」

 

 として、非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 今回は、商標の一部が共通する場合の類似が問題となりました。

 

 構成中の一部の文字部分が共通していても、一体感のある構成であれば、非類似となります。

 

 一体感を持たせることが真似とは言わせないツボになります。

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