ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5885011号:「酒乃花本舗」、指定商品・役務:第3、29,30,32類の各商品の商標は、

 

 登録第1418142号:「酒の花」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-006328号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で外観上まとまりよく表されており、これから生じる「サケノハナホンポ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。」

 

 そして、

 

「かかる構成において、その構成中「酒乃花」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえないし、また、その構成中「本舗」の文字部分が「ある商品を作って売り出しているおおもとの店」ほどの意味を有する語であるとしても、該文字部分が本願の指定商品との関係において、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情を見いだすことができない。」

 

 そうすると、

 

「これに接する取引者、需要者がその構成中「酒乃花」の文字部分に着目し、当該文字から生じる称呼及び観念のみをもって取引に資するというよりも、その構成全体をもって一体不可分のものと認識し、把握するとみるのが自然である。」

 

 また、

 

「構成中「酒乃花」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。」

 

 として、外観、称呼及び観念を総合的に考察すると、非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 商標の一部が共通しても、全体として一体不可分であれば、相紛らわしいとはなりません。

 

 結合商標でも一体感を持たせることが真似とは言わせないツボになります。

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